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経理事務の業務委託

(2016年9月14日の発行記事です)
経理は企業にとって経営を行う上で必要不可欠な機能です。経理部は現金の管理から企業の現状を数値に変換しタイムリーに経営陣へ報告し、経営陣が的確に経営判断を出来るようサポートすると言った企業の中でも重要な役割を持つ部署と言えます。一方で経理部は直接的に企業へ収益をもたらす部署ではなく、効率化を図れば図るほど企業にとってメリットをもたらす部署とも言えます。そんな中、企業の経理部では限られたリソースの中で重きを置くべき業務と比重を軽減するべき業務の選択をする必要が出てきます。

今回は、業務委託のメリット・デメリット、経理業務の中で、業務委託に向いている経理業務と不向きな業務、そして弊社にてお客様より業務委託についてアンケートを取らせて頂いた結果の一部を紹介します。

社内経理と外部委託のメリット・デメリット

経理業務の外部委託を考える上で、社内で経理業務を行うのか、外部委託するのかでメリット・デメリットを比較する必要があります。

【「管理部門の達人」 ~経理編~社内経理と外部委託について】からの抜粋:

社内で経理機能を持つことのメリットとデメリットは一般的に以下と言われています。

社内で経理機能を持つことのメリット

  • 緊急対応がしやすい
  • 経理以外の業務もお願いできる
  • 人材の選択ができる
  • 従業員とのコミュニケーションを短時間で行える

社内で経理機能を持つことのデメリット

  • 知識の固定化
  • バックアップ体制の問題
  • 業務効率化を効果的に行えない
  • 人材育成、査定、移動の難しさ

反対に外部委託した場合のメリットとデメリットはどのようになるのでしょうか。

経理機能を外部委託した場合のメリット

  • 高い専門性と多くの経験
  • 業務の標準化
  • ボリュームや状況に合わせて変動費化できる
  • 社内的にセンシティブな内容でも相談ができる
  • 不正の抑制
  • コストダウン

経理機能を外部委託した場合のデメリット

  • 社内ノウハウが蓄積されない
  • 緊急の対応が難しい

このように社内経理と外部委託のメリット・デメリットを理解した上で、自社の特性や方向性にあった形で外部委託を活用する事が重要です。

業務委託に向いている経理業務とは

次に外部委託に向いている経理業務と不向きな業務を見ていきたいと思います。基本的に業務委託に向いている経理業務とはフローやプロセスがルーティーン化しやすい業務となり、業務委託の際にルール決めをしっかり行うことにより安定して業務が実行されることとなります。

業務委託に向いている業務

  • 支払業務: 業務委託の際に支払いフローを可視化し支払業務プロセスを明確にする事で属人化も防ぐことが可能。支払い承認プロセスを適切に設定することで、外部委託後も無駄のない内部統制が保たれる。
  • 経費精算業務: 経費精算規定を明文化し、経費精算書の統一と精算頻度を固定する事で業務委託後も安定した業務が期待できる。経費精算システムを活用する事により、業務負担を軽減するとともに効率化も可能になる。
  • 売上請求書発行業務: 受注業務と切り分けることにより、ルーティーン化が可能。(業種・業体によって可否が別れる。)売上請求書の発行枚数に合わせて請求書発行業務の頻度を調整し効率化を図ることが可能。
  • 記帳業務: 各勘定科目の使用目的を明確にし、いつどのような記帳が必要かを明文化する事により業務委託後にも安定的な記帳業務が継続される。
  • 決算業務: 売上や経費の締日を明確にする事により業務委託後も遅延のない決算が遂行可能になる。
  • 月次報告書作成業務(BS/PL、CF、AR Aging Report等): 既存のFormat上にActualの数値を落とし込む業務となる為、業務委託が容易。
  • 連結Package作成業務: 増減理由などのコメント欄以外は、数字の作りこみ及び転記となる為、外部委託することにより社内の業務負担を軽減する事が可能となる。
  • Sales Tax及びUse Taxの申告・支払い: 新たな州などでの申告が必要な場合を除き、ルーティーン化に落としやすい業務となる。

 

業務委託に向いていない業務

  • 受注業務: 営業との確認作業などが発生する為、ルーティーン業務に落としこむことが難しい。
  • 発注業務: 在庫及び受注状況など社内確認が多い業務となる為、業務委託には向いていない。
  • 売上金回収業務: お客様と直接やり取りが必要な場合は業務委託には向かない。但し、営業がお客様とのやり取りを担当する事によりお客様との関係を保ちつつ、経理側ではAging Listと請求書を営業に渡す業務に絞り込む事が可能となり、業務委託も可能となる。
  • 業績分析・予測: 社内事情を把握している必要があり、外部リソースでは難しい業務となる。

現状として、多くの企業が業務時間の多くを記帳業務などルーティーン化が可能な業務に費やしているようにお見受けします。外部リソースをうまく活用し経理業務を安定化させることも、業務効率化の一步となるのではないでしょうか。

お客様からのアンケート結果

弊社へ実際に業務委託をされている企業様約170社にアンケートを取らせて頂きました。『業務委託をご利用頂き実際に得られた効果』について最も多かった回答が「専門知識・スキルの活用」で半数以上の企業様より効果があったとご回答を頂きました。他には4割の企業様が「業務の継続性の確保」、3割の企業様が「経営資源のコア業務への集中」について効果があったと回答しております。

弊社では2002年より米国で業務委託サービスを開始し、現在までで300社以上の企業様よりご利用頂いております。多くの企業様の業務を担当する中で得たスキルやノウハウを他のお客様の業務でも活用させて頂いております。尚、米国では人の入替りが多い為、業務の継続性に苦労される企業様も多くございますが、ルーティーン業務を外部委託する事により業務の継続性を確保する事が可能となります。また、社内で経理業務を回す場合、人の入れ替りや管理にも時間が取られる事となりますが、外部リソースを活用する事により安定的に業務を遂行すると共にコア業務へ注力することが可能になります。

経理業務体制の構築において外部委託を検討する際に、社内経理と外部委託のメリット・デメリットを考慮しながら、自社の特性や方向性にあった形で外部委託する範囲を選択することが大切です。


【免責事項】
本ニュースレターの内容は、米国人材・人事・経理・給与に関する一般的な情報の提供のみを目的とするもので、法的助言を目的としたものではありません。 法的行動を起こされる際には、必ず専門の弁護士にご相談下さい。

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