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経理部と課題発見と解決

(2016年8月31日の発行記事です)
皆様は社内の経理部ではどのような業務が行われているかご存知でしょうか。どの企業にも存在する経理部。その経理部では様々な業務が行われていますが、その内容を把握しているのは実務担当者のみというのはよくあるケースです。現状の把握を行うことで、「なんとなくの理解」から「具体的な理解」へ進み、少しでも多くの方々に経理部の課題について考えるきっかけにして頂ければと思います。

本号では、管理部門の現状把握・課題発見のために抑えておくべきポイントについて紹介していきます。

業務内容の把握・見直し編

まず、管理部門の業務把握を行う最初の第一歩として、業務内容の把握と見直しを行う必要があります。現状の業務内容を可視化し、発生している業務で非効率なやり方で行っているものはないか、無駄な作業は行っていないか、など、ひとつひとつ見直しを行っていきます。適切な人材が適切な手順で業務を行うことによって、経理部門の最適化を図ることができます。
業務内容可視化のステップとしては、次のように進めてみるのがよいでしょう。

1. 業務内容のリストアップ
現在発生している作業をひとつずつリストしていき、やらなければならないタスクの洗い出しを行います。業務のリストアップを行うことによって、「なんとなく」の感覚でつかんでいた経理業務の可視化が可能です。 2. 業務フロー表の作成
リストアップした作業を並べていきます。各作業ごとに発生する順を追って流れをまとめるのが良いでしょう。業務と業務を線で繋ぎ、以下のような形で業務のフロー表を作成します。

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3. 各業務完了期日の把握
フロー表に各業務の作業完了期日を織り込みます。これにより、どの作業をいつまでに行わないといけないのか、スケジュールを把握することできます。

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4. 各作業の業務実施日・業務時間・担当者の把握
フロー表にまとめた業務内容を細分化してみます。買掛金処理であれば、データ入力 → レビュー→ポスト → 小切手発行 → 郵送 → ファイリングなど、細かく分けてみていきます。各工程の業務実行日、業務時間、担当者を記入することにより、それぞれの作業に課題点(ボトルネック)が見えてきます。経理業務を行う上で絶対不可欠で適切に行われている業務、不可欠ではあるが改善の見込める作業内容、割愛できそうな業務、などを認識することが可能です。

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5. 課題解決
課題に対しどのような解決策があるのか、選定を行い、実践していきます。例えば、同一作業を複数の人間が行っていることがあれば重複作業を廃止する必要があるかもしれませんし、経理部長などレベルの高い人材が簡単な作業を行っている場合は、部下に業務を落とす必要があるかもしれません。

課題解決編

課題解決にはどのようなことができるのでしょうか?社内で起こせる変化、社外リソースの活用によって起こせる変化など、課題解決方法も様々です。

~自社内で起こせる変化~
教育体制の整備
トレーニングの実施や各作業担当者の個々の能力を高めることにより、作業効率の向上を図ることができます。具体的には、会社で資格奨励制度を設けてCPAの資格取得に励んでもらうことや、会社でWeb Trainingなどの受講権を購入して社員の身近に勉強ツールを設けること、各社員それぞれに目標(課題)を設定してそれの達成に向かって努力する環境づくりを整える、などがあげられます。社内で勉強会を発表者持ち回りで開催することで、社員のプレゼンテーション能力を磨くこともできます。教える側と教わる側での知識の向上やコミュニケーション能力も高まることが期待できるので、個々のスキルセットを高める取り組みのひとつとしては良いでしょう。

重複作業の割愛
経理業務を行う上で、重複して同じデータを別システムに入力しているというのはよくあるケースです。

経費精算の承認プロセスの例
最近では、ITシステムを導入して経費精算プロセスを行っている企業が多くなってきたように感じます。プロセスをIT化することで、承認記録が電子データで残せることや作業効率化の面で多くのメリットが得られますが、システム導入後も引き続き承認者が精算書類原本にサインを行っているケースがよくあります。このような場合、紙面上での承認(サイン)作業を廃止し、承認作業はシステム上のみで行うフローにすることにより、無駄な承認作業の手間を省くことができるかもしれません。

請求書発行プロセスの例
「請求情報を担当営業で作成して経理側に受け渡し、経理側でその請求情報を入力して請求書発行を行っている」ケースは多いことでしょう。しかし、もしこの流れを、(担当営業に会計システムへの入力方法を教えた上で)、「担当営業が直接システムに請求データを入力してもらう」フローに変えられたらどうでしょう?担当営業は何かしらの形で請求データを作成して経理部に渡さないといけないので、会計システムに直接入力してもらった方が効率的といえるかもしれません。少なくとも、請求データを紙で受け渡しを行っているとしたら、エクセルやワードなどの電子版の受け渡しに変更した方が良いかもしれません。会計システムへの転記作業が圧倒的に楽になります。

~社外リソースの活用よる変化~
一定の業務をアウトソーシングするのも経理部門の改善策のひとつです。特定のルーチン化している業務を外部企業に委託することで社内経理部をスリム化することができます。

銀行サービスの利用
銀行の提供しているサービス(Lock BoxやPayable Serviceなど)を利用してみるのも良いかもしれません。
Lock Boxサービスを利用すると、銀行側で売掛金小切手の受領と入金処理をしてもらうことができます。小切手を顧客から銀行側に直接送付してもらうことで小切手受け取りから入金までのスピードが格段アップします。また、Lock Boxと自社会計システムを連動させることによって、銀行側での入金データを会計システムに毎日流し込むこように設定することができるので、社内的経理業務の効率化を図ることが可能です。
また、Payable Serviceを利用した場合、支払いデータを銀行側に送付後、銀行側でその後の支払業務を行ってくれます。小切手発行や送付の作業、銀行送金のセットアップ作業が割愛できるので、買掛金担当者の作業負担が減ることでしょう。

記帳/支払い代行サービスの利用
会計データの記帳を行ってくれます。代行サービス提供企業によっては買掛金データの入力から支払い業務、売掛金請求書の発行から送付なども行ってくれるでしょう。多数の経理業務を代行してもらえるので、業務負担を減らし、会社の身軽化が図れます。アウトソーシングのオペレーション機能が委託企業と同州にあるケースはまれなので、スピード面で自社内経理と比べて遅れを取ることがデメリットでしょう。

環境は社内外ともに日々変化しています。まずは社内での業務を可視化し、どうしても現場にいないとできない作業がどれぐらいあるのか、またそれが一定のスキルを持った人でないとできない作業なのかをしっかりと見極めること、また、社外リソースのオプションを把握し、今後の対策を検討することが必要といえます。

5年後・10年後の起こりうる状況をしっかりと見据えて今から対策を考えておくことが、将来大きな落とし穴にはまらないためには重要ですので、是非皆様にも一度、社内経理部の課題について考える時間を持ってみていただけますと幸いです。


【免責事項】
本ニュースレターの内容は、米国人材・人事・経理・給与に関する一般的な情報の提供のみを目的とするもので、法的助言を目的としたものではありません。 法的行動を起こされる際には、必ず専門の弁護士にご相談下さい。

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