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Onboarding Program (新人研修)

(2015年10月14日の発行記事です)
新入社員を迎え入れることは会社にとって喜ばしいことです。
時間を掛けて採用活動を行い、このひとだ!と思った人がオファーを受けてくれ、入社当日を迎える - 会社側の私たちも期待で胸が膨らみます。

新入社員も期待と不安を抱いて入社当日を迎えます。
新しい仕事、新しい上司、新しい仲間、そして新しいルール・・・

これらの新しい出会いのそれぞれが「ポジティブ」であれば、新入社員はより早く職場に馴染み、より早く成果を出します。言葉を変えると、いかによい第一印象を与えるかが成功のカギとなります。

一般的に、新入社員が成功するには下の2つの環境が整っている必要があると言われています。
• 担当する職務の職責が明確で必要なサポートを得られる環境が整っていること。
• 温かく迎え入れられていると感じられる環境であること

この環境を提供するのがOnboarding Programです。
具体的には、仕事を進めていく上で必要な知識、技術の提供はもちろんですが、会社の事業内容、企業風土・理念、就業規則など、組織内で必要な事項、最低限の礼儀、マナーなどを教え、新しい職場環境に適用するための手助けを行います。

カナダのYork Universityは、Onboarding Programの目的を次の5つとしています。

• 企業の評価を高める
• 離職率を下げる
• ターンオーバーに掛かるコストを減らす
• 新人の生産性をより早く高める
• チームの団結力を高め、全体の生産性を上げる

実際、体系的なOnboarding Programを経験した社員の3年後の勤務継続率は、そうでない社員よりも58%高いとの調査結果が出ています。(The Wynhurst Groupの調査による) つまり、Onboarding Programがしっかりしている企業は離職率が低く、 逆にOnboarding Programをおざなりにしている企業は離職率が高くなっているのです。

米国では、新卒の新社会人採用よりも就業経験のあるキャリア採用が主流です。しかし、キャリア採用だからといって特段、Onboarding Program を提供しなくても即戦力として活躍してくれるだろう、というのは誤った認識です。 新卒の新社会人に対して行うような新入社員研修は必要ないかもしれませんが、採用された企業での就業経験はないため、採用された会社で力を発揮してもらうためには、 研修、教育を行わなければなりません。

それでは、Onboarding Programでは何を行えばよいのでしょうか。

企業によって事業内容、人事戦略や目標が異なるため、どの企業が行っても成功するというような「虎の巻」は存在しませんが、SHRM(Society for Human Resources Management)では、 基本的なOnboarding Programの内容を次のように記載しています。

入社初日
• 新入社員が出社する前に働ける環境を整えておく
(席、パソコン、電話、インターネット接続、ID、文房具など)
• キーとなる社員の紹介
• ランチのアレンジ
• 新入社員に自分の席で落ち着く十分な時間を与える
• 1日の終わりにフィードバックをもらう

入社1週間
• 仕事へ順応できる環境を整える
o 職務内容、役割、責任の説明
o 質問、それに答える時間を取る
o 仕事を見る、実際に経験する機会を作る
• 部署へ順応できる環境を整える
o 毎日温かく迎える
o メンター、バディー(仲間)の提供
o 一緒に働く他部署のキーとなる社員の紹介
o 部署のゴール、現在のプロジェクトの説明
• 組織へ順応できる環境を整える
o 社内のコミュニケーションチャンネルの説明
o 必要なすべてのコミュニケーションチャンネルが利用できることの確認

入社1ヶ月
• 人事部主体で行う項目
o 組織の文化、ビジョン、ミッションについて
o 組織内の各部署の役割、責任
o コミュニケーションチャンネルの適切な利用について

• 直属の上司主体で行う項目
o 社員への定期的なフォローアップ、質問に答える
o 社員の業務、成功の障害となっているものを取り除く
o 部署、組織の文化に触れ、理解してもらう情報の提供
o 同僚との関係を築く手助けを行う

期間に関しては、1~3ヶ月間が一般的ですが、長い場合は1年間掛ける企業もあります。

どれだけ優秀な新入社員であっても、一人で成功できるものではありません。新入社員が能力を発揮できる環境を企業側が整えてあげなければ、 成功することはできないのです。キャリア採用は即戦力と考え、放っておくことは、可能性のある人材を活かしきれないことになるでしょう。

人材不足の状況の中、人材の確保と合わせて人材の定着に力を入れる必要がより増しています。離職率を下げるための即効性があり、かつ、普遍的な取組りとして、 Onboarding Programを戦略的に取り入れてはいかがでしょうか。

参考文献
http://www.shrm.org
http://hriq.allied.com/pdfs/AlliedWorkforceMobilitySurvey.pdf
http://www.forbes.com/fdc/welcome_mjx.shtml
http://www.forbes.com/sites/theyec/2015/05/29/how-to-get-employee-onboarding-right/
http://www.yorku.ca/hr/documents/Onboarding/New%20Manager%20Onboarding%20Guide.pdf


【免責事項】
本ニュースレターの内容は、米国人材・人事・経理・給与に関する一般的な情報の提供のみを目的とするもので、法的助言を目的としたものではありません。 法的行動を起こされる際には、必ず専門の弁護士にご相談下さい。

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