Pasona

top

業務関連の傷病記録

(2015年1月14日の発行記事です)
今回は、業務関連の怪我や疾病が発生した場合の記録と記録の保存についてです。 事業主によっては、2月1日から3ヶ月間、前年の業務関連の傷病記録を事業所内に掲示しなければいけない場合があります。

業務関連の怪我、疾病の記録と記録保存について

業務関連の怪我や疾病が発生した場合、事業者がそれらをOSHAの定めたフォームに記載し、記録し、その記録を保存しなければなりません。OSHAとは、米国労働局の一機関である労働安全衛生庁(Occupational Safety and Health Administration)のことで、連邦の機関になります。

業務関連の怪我や疾病を記録するフォームは3つあります。

• OSHA Form 300 業務関連の怪我、疾病を記録するログ
• OSHA Form 301 怪我、疾病レポート
• OSHA Form 300A 業務関連の怪我、疾病のサマリー

今回のメールマガジンでは、連邦のOSHAが定めている業務関連の傷病の記録と記録保存のルールについてお話しします。

州によっては、連邦のOSHAより認可を受け、州独自のOSHAプランを運営している州もあります。そのような州と米国領土は現在27つあり、州によっては連邦のOSHAより厳しい基準を設けている州もあるので注意が必要です、それぞれの州が独自のOSHAプランを持っているかは下のリンクより確認できます。
https://www.osha.gov/dcsp/osp/index.html

記録と記録保存が免除される事業者

事業者の多くがOSHAが定める怪我、疾病の記録と記録保存を行わなければなりませんが、下に該当する場合は、その義務が免除されます。

■ 前年の従業員数が10名以下の場合
前年の従業員数が年間を通して10人以下の事業者は免除されます。10名とは、会社全体の従業員数です。例えば、事業所Aに7名、事業所Bに5名の従業員がいた場合、一つ一つの事業所の従業員数が10名以下ですが、合計従業員数が12名のため、免除とはなりません。

■ 危険が少ない業種
レストラン、銀行や衣料店など怪我や疾病の危険が少ない一部の業種も免除となります。免除となる業種の最新の一覧は、下のリンクから確認できます。(*2015年1月1日より一覧が更新されています。)
https://www.osha.gov/recordkeeping/ppt1/RK1exempttable.html

怪我、疾病の記録保存が必要な業種であっても、前年の従業員数が年間を通して10人以下の事業者は、免除となります。

□ 注意 □
• 「危険が少ない業種」への免除ですが、州が運営しているOSHAプランによっては免除の対象としていない州もあります。

• 免除となる場合であっても、Bureau of Labor Statistics(労働統計局)、又はOSHAから書面で指示があった場合は、記録保存を行わなければなりません。

• 記録保存が免除でも従業員が死亡する事故が起こった場合は、8時間以内に、入院、切断、失明の場合は、24時間以内にOSHAに報告しなければなりません。

OSHA Form 300 & OSHA Form 301

事業者は業務関連の怪我や疾病を知ってから7日以内にその詳細をOSHA のフォームに記載しなければなりません。それでは、どのようなフォームに記載が必要か説明します。

■ OSHA Form 300
Form 300は、その年、1年間に発生した業務関連の怪我、疾病の概要を記録するログです。このフォームを見れば、その年に、どの従業員がいつ、どこで怪我・病気をしたのか、また、その傷病の程度も一目で確認できます。

怪我や疾病の状況によっては、従業員のプライバシーに配慮しなければなりません。性的暴力やHIV感染、精神疾患といったような内容の場合は、個人名を伏せる必要があります。ログには、名前を記載する欄に"Privacy Care"(プライバシー保護)と書き、別のファイルで機密情報としてその従業員の傷病のケース番号と従業員の名前を管理してください。また、従業員からログに名前を載せないでほしいと依頼があった場合も、同様にしてください。

■ OSHA Form 301
Form301は、怪我や疾病が発生した経緯を詳しく記載するフォームです。1つの傷病につきForm 301を1枚書きます。様式ですが、OSHA Form 301のフォーム上で記載しなければいけない項目がすべてカバーされているのであれば、他の様式でも構いません。労災保険の申請を行う際の保険会社への報告書などでも代用できます。

複数の事業所を持つ事業者の場合、怪我と疾病の記録は事業所ごとに記録しなければなりません。

OSHAのこれらのフォームは、下のリンク先よりダウンロードできます。
https://www.osha.gov/recordkeeping/new-osha300form1-1-04.pdf

OSHA Form 300A

このフォームは、各事業所の前年に起こった業務に関連した怪我、疾病の合計を記載するサマリーです。Form 300のログに基づき、前年の怪我、疾病の合計をForm 300Aに記載してください。

1年を通して、怪我、疾病の発生件数が全くなかったとしてもフォームの作成は必要です。その場合は、フォームの合計の欄にゼロと記載してください。

このフォームには、事業主のサインをする箇所がありますが、サインをするのは、会社のエグゼキュティブ、オーナーやオフィサー、事業所の責任者でなくてはなりません。フォームに間違いがないことを確認した上で署名をしてください。

そして事業者は、この出来上がったForm 300Aを2月1日から4月30日までの3ヶ月、事業所内の良く見える場所に掲示しておくことが義務付けられています。

記録の保存について

事業者は、OSHAからの指示がない限り記入したフォームをOSHAへ送る必要はありませんが、記入したフォームは5年間保存しておくことが義務付けられています。フォームは常に最新の内容を記載している必要があるため、怪我、疾病を記録したあとに記載内容が異なるようなことが起こった場合、フォームの原紙にある古い情報を取り消し線などを引いて消し、横に最新の情報を記載してください。

フォームにある記録は従業員や、元従業員、またその代表者やOSHAから要請があれば、提示しなければなりません。しかし、Form 300やForm 301は従業員個人の健康状態などデリケートな内容を含んでいる場合があるため、提示をする際には個人的な情報を守れるような形でフォームの提示をするよう注意してください。

参考文献

OSHA Record Keeping Rule
https://www.osha.gov/recordkeeping2014/records.html

OSHA Forms for Recording Work-Related Injuries and Illness
https://www.osha.gov/recordkeeping/new-osha300form1-1-04.pdf

Brief Tutorial on Completing the OSHA Recording Forms
https://www.osha.gov/recordkeeping/tutorial/player.html


【免責事項】
本ニュースレターの内容は、米国人材・人事・経理・給与に関する一般的な情報の提供のみを目的とするもので、法的助言を目的としたものではありません。 法的行動を起こされる際には、必ず専門の弁護士にご相談下さい。

Catch
© PASONA N A, INC. Pasona