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FLSAについて

(2014年5月28日発行記事です)

FLSAについて

「FLSA」という言葉は雇用者であれば必ず耳にしたことがある言葉の一つです。このFLSAを正しく理解していないと、色々な問題に発展する可能性が高いため、今回は、FLSAについて特に覚えておきたい箇所をご紹介いたします。

FLSAとはThe Fair Labor Standards Act(公正労働基準法)の略で、恐らく雇用・給与に関するもっとも基本的な法律となり、The Federal Wage-Hour Lawとして知られております。それではFLSAはいったい何を取り締まっているのでしょうか?

FLSAでは大きく分けて下記の4つの分野に関する規定を設けております。

1. 最低賃金と残業代 ・・・ Sets the minimum wage and overtime rates covered employees must receive for their work
2. 記録保存義務 ・・・・・ Requires record keeping by all covered employers
3. 児童労働 ・・・・・・・ Places restrictions on the types of work minors can do and the hours they can work
4. 公平公正な賃金 ・・・・ Mandates equal pay for equal work

意外に知られていないかもしれませんが、FLSAでは下記に関する規定は設けておりません。

1. Vacation、Sick Daysなどの有給休暇、ランチ休憩の義務
2. 給与支払いの頻度、退職者への給与支払いのタイミング
3. 16歳以上の従業員が勤務する時間

一般的に、FLSAが規定を設けていない上記3点のような項目については、従業員が勤務する州の州法にて定められています。なお、最低賃金はFLSAで定めている連邦の最低賃金と、州法が定めている最低賃金があります。 州法が定めている最低賃金については、Department of Labor(DOL)が紹介している下記のリンクをご参照ください。
http://www.dol.gov/whd/minwage/america.htm

ではFLSAについて特に覚えておきたいことは何でしょう?

やはりFLSAといえばExempt、Non-Exemptの違いが一番覚えておきたいことでしょう。また、一番問題が発生しやすい項目だと思います。

簡単にいうとExempt従業員は最低賃金、残業代の規定から免除(Exempt)される方で、Non-Exempt従業員は最低賃金、残業代の規定から免除されない方(Non-Exempt)となります。

では雇用者は残業代を支払いたくないからといって、どの従業員もExemptにすることが出来るのかというと、そうではなく、 Exemptとして認められる区別は、実際の業務内容と報酬レベルで決められており、 役職名(Job Title)にSupervisorと書いてあるから、業務指示書(Job Description)にExemptと書いてあるからといって決まるものではありません。 それではExemptと判断するための区分を見てみましょう。

Exemptには下記の区分(Classification)があります。

• Administrative Employees
• Executive Employees
• Professional Employees
• Outside Sales Employees
• Certain Computer Employees

それぞれの区分の詳細はFact SheetsとしてDOLのウェブサイト(http://www.dol.gov/whd/regs/compliance/fairpay/main.htm)にて確認できますが、ここではAdministrative Employeesを例に出して見てみましょう。

Administrative EmployeesとしてExempt区分にするには、下記の全ての項目に該当しなければなりません。

Administrative Employees
1. An exempt administrative employee's primary duty must consist of:
o performing non-manual or office work directly related to the management or general business operations of the employer or the employer's customers; or o performing work that is directly related to academic instruction or training carried on in the administration of a school system or educational institution.
2. Exempt administrative employees' primary duty must include the exercise of discretion and independent judgment with respect to matters of significance.
3. Exempt administrative employees must be paid at least $455 per week on a salary or fee basis.
「Primary duty」とはその従業員の殆どの業務、一番重要な業務という意味です。
Administrative EmployeeのPrimary DutyがExercise of discretion and independent judgmentとはどういう意味でしょうか?
Discretion and independent judgmentとは、さまざまな比較や可能性、評価などを行った結果、独自の決断を行うことで、決断の内容の例としては、雇用に関すること、ビジネスのオペレーションに影響をもたらすこと、金銭的に大きな影響をもたらすことなどがあります。 独自の決断を行うことができるというのが重要ですが、一旦決めた決断内容が、後ほど修正・変更されたとしてもdiscretion and independent judgmentとなります。 ただし、手順書や業務標準化のマニュアルに沿って決断することはdiscretion and independent judgmentにはなりません。

下記の例を見て、例題の従業員がExemptになるかを検証してみましょう。

例:
ジョンさんは中小企業に勤務しており、彼の役職名はAdministrative Assistantです。
ジョンさんの業務内容はコピーをとったり、電話対応、帳簿への記録などを含む総務業務で、彼は雇用者に相談しない限り決断をすることができません。

検証:
例ではジョンさんの給与について明記されていないため、1週間に$455の給与を受け取っているかが分かりませんが、「雇用者に相談しない限り決断をすることができません」とあります。その時点で、Discretion and independent judgmentを行わないことになりますので、彼の役職名がAdministrative AssistantであってもExemptとして区分してよいAdministrative Employeeには該当しないため、ジョンさんのポジションはExemptではなくNon-Exemptとなります。

Exemptにしてもよい区分の解釈を間違ってしまったために、不当に従業員をExemptとして区分してしまい、訴訟が起きることが多々あります。カリフォルニア州など、Exempt区分の規定がある州もありますので、ExemptとNon-Exemptの区分を決める場合は役職名から安易に判断するのではなく、必ずFLSAと各州の規定を確認してから判断したり、専門家に確認すると良いでしょう。

参考資料:
Department of Labor・・・ http://www.dol.gov/whd/flsa/index.htm


【免責事項】
本ニュースレターの内容は、米国人材・人事・経理・給与に関する一般的な情報の提供のみを目的とするもので、法的助言を目的としたものではありません。 法的行動を起こされる際には、必ず専門の弁護士にご相談下さい。

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