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Employment At Will

(2014年3月13日発行記事です)

Employment At Will

従業員ハンドブックやオファーレターには必ず「Employment At Will」という一文が存在します。この一文はアメリカの従業員と雇用主の関係を表しており、「任意に基づく雇用」と日本語で直訳されます。具体的には、Employment At Will (以下、At Will)は従業員も雇用主も、いつでも理由なく退職/解雇できる雇用であることを意味します。

しかし、このAt Willの雇用形態だからといって、雇用主は本当に従業員をいつでも解雇して問題ないのでしょうか。よく企業様から質問を頂くのが、「即日解雇でも、At Willだから問題ないですか」です。At Willがあったとしても他の理由(例:差別など)が解雇に関与していると従業員が訴えた場合、At Willは通用しません。よって、At Willが通用しない状況である"Exception"を理解しておくことが重要です。

1. Public Policy違反:(例)陪審員制度など、国や州が定めた国民の義務に従事するために、従業員が欠席したことが解雇理由にあたるとき。その他、企業が不正をしたことを告発したなどを理由に解雇するとき

2. Implied Contract違反: (例)口頭又は書面で、長期雇用を保証しているとき

3. Implied Covenant of Good Faith and Fair Dealing違反: (例)セールスコミッションの支払い対象期限に満たないよう解雇することで、コミッション対象者から外すように仕組むとき

4. その他のException: (例)連邦公民憲法第七章(Title 7, Civil Right Act)で禁止されている雇用差別(例:Race, Color, Religion, Sex, National Origin)がベースになっているとき

あくまでも例の一部ですが、解雇時に上記において思い当たる節があれば、At Willが通用しないかもしれないと思ってください。企業が意図したわけではなく、たまたま解雇時期が陪審員制度のお休みや産休などの保護されたお休みの間/直後に起こってしまうなどの場合も注意が必要です。また、At Will Exceptionは、連邦と州で様々な基準が設定されていますので、特に解雇の際は従業員が働く州の基準を犯していないかをご確認下さい。

解雇時が一番従業員が訴える機会を与えやすいと言われています。解雇される従業員が解雇理由や通達までのやりとりをどう受け取るかが、訴える可能性に影響します。不当解雇や差別を一度疑われ訴訟問題に発展したら、莫大な時間と費用がかかりますので、At Willの前提があっても、解雇をはじめ雇用関係の変更時は、慎重に対応されることをお勧めします。



【連載】誰でもわかるリタイヤメント講座 第8回

前回のニュースレターでは、中堅機械メーカー駐在員Aさんから年金プラン設計の依頼を受け、どのプランが最もこの会社に適しているかを考えました。
前回触れたプラン選定の3つのポイントをおさらいしましょう。

[ポイント1:目的]
Aさんは当社のオーナーではなく、雇用者の節税=個人的な利益とならない。 したがって、当プランでは従業員利益の最大化を考えれば良い。

[ポイント2:コスト]
当社にはそれなりの予算があるので、高いプラン(401(k) Profit Sharing PlanやDB Plan) を選択肢に含めても良い。

[ポイント3:会社の業績]
会社の業績が不安定であるため、毎年一定額の拠出が求められるDB Planは適さない。

それでは、今回はあと2つのポイントを見てみたいと思います。

[ポイント4: 福利厚生の最大化]
DB Planが候補からはずれたので、今度はDC Planを見て行きましょう。
SEP IRA、SIMPLE IRA、401(k) Profit Sharing Planの3つが候補として挙げられます。

当社にはそれなりに予算があり、同業他社かそれ以上の福利厚生を与えることを方針としています。そこで、「どのプランを選べば、従業員にとっての福利厚生が最大化されるか」別の言い方だと「どのプランだと、1年間に最も多くの金額を従業員のアカウントに入れることができるか」という観点でDC Planを比較してみたいと思います。

(従業員の給与からの拠出金額上限)
1. 401(k) Profit Sharing Plan: $17,500
2. SIMPLE IRA: $12,000
3. SEP IRA: $0

(雇用者の拠出金額上限)
1. 401(k) Profit Sharing Plan: $52,000
2. SEP IRA: $52,000
3. SIMPLE IRA: $12,000

(上記2つの合計:従業員・雇用者の拠出金額上限)
1. 401(k) Profit Sharing Plan: $69,500
2. SEP IRA: $52,000
3. SIMPLE IRA: $24,000

いかがでしょうか。このように見てみると、401(k) Profit Sharing Planに入れられる金額が最も多く、単純に金額の観点からは、最も良いプランといえます。

[ポイント5: 担当者の作業負荷]
最後に、決定的ではありませんが、一つ重要な観点があります。それは、担当者の作業負荷です。401(k) Profit Sharing Planには、企業側に多くの作業を強いることになります。感覚的には、3つのDC Planを比較すると、企業のプラン責任者が負う作業量としては、以下のような差があります。

401(k) Profit sharing Plan >>> SIMPLE IRA > SEP IRA

これは、401(k) Profit Sharing Planには、従業員に公平なプラン運営がされているかを毎年査定するプロセスがあり、そのための情報を整理する作業に時間がかかるからです。 また、401(k) Profit Sharing Plan内で発生する投資内容の変化やコストなど、雇用者が開しなければならない情報が多く、その告知作業なども行わなければなりません。

Aさんのように、駐在員として派遣され、人事だけでなく、会社の業務全般を見渡さなければならない立場にある人にとって、こういった新しい管理業務は、大きな負荷となる可能性があります。その場合には、最大拠出金額を少し落としても、SIMPLE IRA、SEP IRAの方が導入し易い、ということが起こり得ます。

ただ、当社に専属の人事マネージャーがいて、こういった業務に責任を持ってあたってくれる 場合には、401(k) Profit Sharing Planを導入しても問題ないでしょう。

以上、5つのポイントを見ました。
結論としては、当社にとっては、「401(k) Profit Sharing Planが良い。ただし、担当者の作業負荷を考慮すると、SIMPLE IRA、SEP IRAが良い可能性もある」です。

次回は、また別のケースを見てみたいと思います。


【免責事項】
本ニュースレターの内容は、米国人材・人事・経理・給与に関する一般的な情報の提供のみを目的とするもので、法的助言を目的としたものではありません。 法的行動を起こされる際には、必ず専門の弁護士にご相談下さい。

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