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EmployeeとIndependent Contractorの違い

(2014年2月12日発行記事です)

EmployeeとIndependent Contractorの違い

Pasona N A, Inc.プロフェッショナル事業部の大木 慶子です。
今回は、Employee(従業員)とIndependent Contractor(コントラクター)の違いについて、お話させていただきます。

従業員とコントラクターの大きな違いですが、従業員の場合、会社側の義務として従業員の給与から所得税などの源泉徴収を行い、さらにUnemployment Insuranceなど雇用者側の税金を支払わなければいけませんが、コントラクターへの支払いは、基本的に源泉徴収を行う必要はなく、雇用者側の税金も支払うことはありません。
この違いをご存知な方はたくさんいらっしゃいますが、そもそも、どうやって従業員、またはコントラクターと区別するのかをご存知でしょうか?
この判断を正しく行わないと、雇用者に大きな損失をもたらすことがあります。

従業員なのか、コントラクターなのかは、Internal Revenue Service(IRS)のCommon Law Testによって検証することが出来ます。
Common Law Testによると、何の仕事を行い(what work will be done)、その仕事をどのように行うか(how that work will be done)を雇用者がコントロールする場合は従業員となります。
ただし、達成する結果のみを雇用者がコントロールし、その結果を達成するための方法・手段を雇用者がコントロールしない場合は、コントラクターとなります。
すなわち、コントロールと独立性の度合いを表す情報(evidence of the degree of control and independence)が、従業員とコントラクターの違いを検証する項目となります。
では、それらの項目を見てみましょう。

コントロールと独立性の度合いは、下記の3つの項目から検証します。

1. Behavioral (行動のコントロール):どんな仕事を行ってもらうのか、どうやってその仕事を行ってもらうのかを、会社がコントロールをする権利をもっているか?
2. Financial (金銭上のコントロール):支払い側が働く方の仕事をコントロールするのか?(働いた方へどういう頻度で支払うのか、掛かった経費は払い戻すのか、備品や道具を誰が提供するのかなども含む)
3. Type of Relationship (関係):書面のコントラクトの存在、ペンション、健康保険、有給休暇など従業員に提供するようなベネフィットがあるのか?働く方との関係は継続されるのか?働く方が提供する仕事は、会社側が主にビジネスとして提供する内容のものか?

働く方に仕事の手順などのインストラクションや、定期的な研修を提供する場合は、従業員とみなされる要素が強くなります。(行動のコントロール)
会社から経費の精算をうけなかったり、備品や道具は働く方が自分で提供するなど、仕事を行うことにより働く方が損失する可能性がある場合は、コントラクターとみなす要素が強くなります。(金銭上のコントロール)
会社から健康保険などの福利厚生を働く方に提供する場合は、従業員とみなされる要素が強くなります。(関係)

このように、働く方が従業員になるのか、コントラクターになるのかを決めるには、上記の3つの項目をそれぞれ検証する必要があります。
場合によっては、ある項目は従業員となり、別の項目はコントラクターになることもあるでしょう。
このCommon Law Testは、どれか一つの項目がコントラクターになるからコントラクターと区分するものではなく、また、3つの項目の内、2つの項目でコントラクターの要素が強かったからといって、コントラクターになるものでもありません。 そもそもCommon Law Testは「従業員・コントラクターの定義」が表記されているものではなく、3つの項目を検証して、働く方がどのように従業員、またはコントラクターとして決められたかを書面に残すために使用するものとなります。 では、3つの項目を検証しても、従業員、またはコントラクターと明確に判断できない場合はどうすればよいのでしょうか?

もしCommon Law Testの3つの項目を検証しても、従業員・コントラクターと明確に決められない場合は、IRSのフォームであるForm SS-8 Determination of Worker Status for Purposes of Federal Employment Taxes and Income Tax Withholdingを記入し、IRSに提出すると、 IRSが従業員なのかコントラクターなのかを判断してくれます。

従業員として扱うべきところをコントラクターとして扱った場合、連邦・州から大きな罰金が雇用者に科せられます。過去の従業員やリタイアした従業員に再度コントラクターとして働いてもらったり、 現在の従業員に別の仕事をしてもらうとき、別の仕事分はコントラクターとして扱うなどが、よく間違いが起きるときです。 Form W-2(会社が従業員に渡すフォーム)とForm 1099-MISC(会社がコントラクターに渡すフォーム)が、同じ年に同じ会社から同じSocial Security Numberを持つ方に発行されると、 IRSは不思議に思いますので、IRSからの監査が入りやすくなります。 そのため、Common Law Testを無視せず、どんなときでも必ず慎重に従業員・コントラクターの判断を行いましょう。

従業員・コントラクターの検証を行う場合は、下記のウェブサイトをご参照ください。

IRS: http://www.irs.gov/Businesses/Small-Businesses-&-Self-Employed/Independent-Contractor-Self-Employed-or-Employee Social Security Administration:  http://www.ssa.gov/section218training/advanced_course_10.htm

誰でもわかるリタイヤメント講座 第7回

今回からは、実際のケースを検証した上で、どのようにプラン選択をすれば良いのか見ていきましょう。

<ケース1>
日本にある中堅機械メーカーの駐在員・Aさんから依頼があった。AさんはLAに2年前から滞在、経営全般を任される現地マネージャーとして事業を運営している。自身は日本の本社が提供する年金制度に加入しており、アメリカでの年金加入は考えていない。

会社に従業員は20人いるが、今のところリタイヤメントプランを提供していない。正社員20人の他にも、パート社員が10人ほどおり、勤務歴が数ヶ月の人もいれば、10年になる人もいる。会社は現在十分な利益を出しており、ボーナスを提供することもできているが、市場競争は激しく、いつ赤字に転落してもおかしくはない。会社の調子が良いうちに、利益を少しでも社員に還元したいと考えている。

また、より良い人材を確保するために、同業他社と同レベルかそれ以上の福利厚生を提供したいという本社の意向があり、今の所人材確保のための予算は十分に与えられている。

さて、上記の情報だけで判断するとすれば、どのようなものが、同社には適していると考えられるのでしょうか?以下に、考慮すべきポイントを挙げながら、その答えを探っていきたいと思います。

[ポイント1: 目的]
まず、大事なのは、何のためにプランをセットアップするのか、ということです。

こう書くと「リタイヤメントプランは、従業員のためでしょう」と言われるかもしれませんが、 実は、リタイヤメントプラン、特に小規模の会社のプランでは、従業員の老後のために作るという動機よりも、オーナー・経営者の退職金や節税最大化のために作る、という動機から はじまることが多いのです。第一目的が経営者目線か従業員目線であるかは、プラン設計に大きな影響を及ぼします。

それを見極める上で、一つの参考になるのが、Aさんの立ち位置です。 Aさんは駐在員として、現地社員の福利厚生を決める立場にありますが、本人はプランに加入したいという意思はありません。責任者ではあるが、オーナーではないAさんには、 直接的な利害がなさそうです。ということは、このプランを設計するにあたっては、従業員目線で考え、一般の社員に対する福利厚生の最大化だけを考えれば良いということになります。

[ポイント2: コスト]
次に大事なのが、どのくらいのコストをかけられるか、ということです。
前回までのニュースレターでは、コストが高いプラン、普通のプラン、安いプランの3つにリタイヤメントプランを大別しました。この会社では「人材確保のための予算は十分に与えられている」ということですから、どんなプランでも候補に入れて良い、ということが考えられます。

[ポイント3: 会社の業績]
次に見たいのが、会社の業績についての展望です。
「市場競争は激しく、いつ赤字に転落してもおかしくはない」 「会社の調子が良いうちに、利益を少しでも社員に還元したい」とあります。 この二文で、DB Planは適さないということが言えそうです。なぜでしょうか。

DB Planは、Defined Benefit(確定給付)、つまり、従業員が将来もらえる年金の金額が 先に決まってから、今、プランにいくらを積み立てなければならないかが計算されるプランです。企業は、この積立てを経費として計上できる代わりに、将来の給付目標を達成しなければならない、という義務を負います。そのため、目標の給付額を達成できそうかを、毎年査定され、会社の業績が傾こうが赤字を出していようが、半ば強制的に積立てを実行し続けなければなりません。

これは、売上・利益が不安定な企業にとっては、望ましいやり方ではありません。 この会社は、あくまで「調子の良いうちに、利益を還元したい」だけで、調子の悪い時は出費を控えたいのです。利益予想が不安定な企業は、プランへの拠出をいつでもやめる余地が残されている、DC Planを選んだ方が、明らかに良いと言えるでしょう。

さて、ここまでの話で、やっと 「DC Planのどれかが良さそう」ということが見えてきました。それでは、残された選択肢(SEP IRA、SIMPLE IRA、401(k) Profit Sharing Plan)のうち、どれがこの会社に適しているのでしょうか?

次回は、さらにいくつかのポイントを考えることによって、その答えを導いて行きましょう。

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