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Form W-2とは?従業員から受けやすい質問について

(2013年12月11日発行の記事です)

Form W-2とは?従業員から受けやすい質問について

今回はForm W-2について弊社でよくお客様 (とその従業員様) から受ける問い合わせをご紹介すると共に、その問い合わせにお答えします。

まずW-2 というフォームは米国でお仕事をされている方であれば必ず聞いたことがあるフォーム名ですが、実際にはいったいどのようなフォームなのでしょうか。

Form W-2はWage and Tax Statementというフォームで、その年、例えば今年であれば2013年の1月から12月までに会社から支払われた、給与や源泉徴収額の詳細をまとめた明細書です。日本で言うと源泉徴収票に相当するものとなります。この明細書は各個人がその年の確定申告書(締め切りは次の年の4月15日)を作成、提出する際に使用するため非常に大事な書類となります。日本では雇用主の責任において年末調整で税額精算が行われるため、原則として給与所得以外の収入がない場合は個人での確定申告は不要ですが、米国では日本と同様源泉徴収はされるものの、個人の責任において給与以外の所得と合わせて確定申告を行う必要があります。

Form W-2は6枚一組となっており、それぞれSocial Security Administration (社会保障庁) への報告用 (Copy A)、IRS (国税庁) への報告用(Copy B)、州や市、カウンティ(Copy 1, 2)への報告用、本人控え (Copy C)、及び会社控え (Copy D)となっています。このForm W-2はその次の年の1月31日(2013年度のW-2は2014年1月31日)までに各従業員の手元に届く必要がありますので注意が必要です。

それでは、ここからForm W-2についてよく受ける問い合わせをご紹介します。

Q: 従業員の名前が長すぎて名前のスペースに収まらない!!
弊社では色々な企業様の給与処理を代行していますが、従業員の名前が正しく登録されていないことが意外とよくあります。

Box e - Employee’s name
このBoxには従業員の名前を記入しますが、ニックネームや、省略された名前を使用せず、Social Security Cardに記載されている名前を記入するようにしましょう。もし名前が長くてBoxに収まりきらない場合は、名前(First Name)、ミドルネーム のイニシャルを使用し、苗字 (Last Name) をフルネームで正しく記入します。また名前に変更があった場合は、新しいSocial Security Cardが発行されるまではオリジナルのカードに記載されている名前を使用します。 Form W-2はSocial Security Administration (社会保険庁) にも送付されるため、Social Security Administrationが登録している正しい名前で報告することが大切です。

Q: 給与明細書の年間総所得とBox 1の金額が合わない!!
この金額は従業員がForm W-2を受け取って一番に確認する金額です。自分の給与がきちんと反映されていないのでは??と問い合わせを受けることがよくあります。

Box 1 - Wages, tips, other compensation
このBox 1には1年間の総所得(年収)がそのまま記載されていると思われがちですが、そうでないケースも多くあります。それでは1年間の総所得と違う金額が記載されている場合とはどのようなケースなのでしょうか?

まず、Form W-2のBox 1には一般的に給与、賞与、チップや賞金などが含まれますが、実はこの金額に追加でBox 1 に含まれるもの、またはその金額から差し引かれているものがあります。具体的にいくつか上げてみましょう。

• Box 1に含まれるもの
1) Group Term Life Insurance (団体生命保険)
会社がベネフィットとして従業員の生命保険に加入している場合、その保険のカバレージが$50,000を超えたものを所得認識する必要があります。実際には従業員はその金額を受け取ってはいないわけですが、 その価値(Value)分が課税対象となるわけです。その場合、会社はIRS(国税庁)が発行しているPublication 15-B(Employer’s Tax Guide to Fringe Benefits)の中のテーブルを使用し、それぞれ一人ひとりの従業員の年齢に対する 1ヶ月ごとコストを算出し、実際の課税対象となる金額を割り出します。この金額がForm W-2のBox 1の金額に上乗せされます。

2)Third Party Sick Pay
保険会社より従業員へSick Payの支払いがあった場合、これに対して決められた税金の納税 (従業員、及び会社) と、 その報告義務が発生しますが、保険会社などのThird Partyが直接Form W-2を発行してくれる場合を除いて、 会社が発行するW-2のBox 1 にこの支払い金額を含めます。このSick Payの代表的なものとしては Maternity Leave (出産休暇)があります。
Sick Payを含んだ1つのForm W-2にまとめても構いませんし、別途そのSick Payに対するForm W-2を発行しても構いません。 ただし保険会社が直接W-2を発行する場合もありますので、重複して報告することがない様、必ず保険会社と確認しましょう。

• Box 1から差し引かれるもの
1) Pre-tax (税引き前控除) の健康保険に加入しており、給与を通して支払っている自己負担額
2) Traditional 401(k) などPre-taxの Retirement planに加入しており、給与から天引きされている金額
3) その他、Flexible Spending Accounts (FSA) やTransportation Benefits (Transit等) としてPre-taxで給与から控除されている金額など

このように1年間を通して支払われた給与から会社が提供しているフリンジベネフィットなどを追加し、さらにPre-tax (税引き前控除) の項目をさし引いた金額がW-2 WagesとしてBox 1 に記載されています。 今後従業員より質問があった場合は、まず上記の項目を確認してみましょう。

Q: Box 3のSocial Security WagesとBox 5のMedicare Wages and tipsは課税となるものが一緒なのに、なぜ金額が違うの??
冒頭でも述べましたが、米国では各個人が確定申告をしなくてはいけないため、日本に比べると税金に詳しい方が多く、こういった質問をよく受けます。

Box 3 - Social Security WagesとBox 5 - Medicare Wages and tips
Social Security Taxの対象となるSocial Security Wagesには上限が設けられています。 (2013年のSocial Security Wagesの上限は$113,700、来年2014年の上限は$117,000となる予定。 詳細はこちらでご確認ください。http://www.socialsecurity.gov/pressoffice/pr/2014cola-pr.html) したがって、その従業員のSocial Security Wagesが上限に達した時点でそれ以上のWagesは報告されません。
Medicare Taxの対象となるMedicare Wagesには上限が設けられていないため、Box 3とBox 5の金額が違うということが起こる場合があります。

Q: Box 12のコードと金額はいったい何を意味しているの??
いくつかの特定の項目についてはBox 12にそれぞれ定められたコードを使用して明記することが定められています。その代表的なものをいくつかご紹介しましょう。

Code C: Taxable Cost of Group-term life insurance
先ほどBox 1の話で上げましたGTLの金額をCode Cを使用して報告します。

Code D: Elective deferrals under section 401(k) cash or deferred arrangement (plan)
一般的なものとしてはTraditional 401(k)やSIMPLE 401(k) planなどで、1年間で給与を通して貯蓄(Contribute)した金額をこのコードを使用して報告します。

Code P: Excludable moving expense reimbursements paid directly to employee
税金の控除が免除される引越し費用(Qualified Moving Expense)を会社が従業員に対して直接支払った場合、その金額をこのコードを使用して報告します。

Code DD: Cost of employer-sponsored health coverage
従業員様が会社の団体健康保険に加入している場合、その保険料(会社負担分、及び個人負担分)をこのコードを使用して報告します。
この保険料はあくまでも報告のみとなり税金には影響しません。

以上、いかがでしたでしょうか。同じような質問を受ける可能性は大いにありますので、今後に備えて参考にしていただけますと幸いです。

従業員が正しく確定申告を行うためには、毎回の給与処理を正しく行うことが大切です。間違ったW-2を発行してしまうと、 修正申告に時間がかかり従業員への配布が遅れたり、修正するための追加コストがかかってしまう可能性がありますので、十分に気をつけましょう。

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