Pasona

top

アメリカの会計が学べる資格

(2013年10月23日発行の記事です)

アメリカの会計が学べる資格

経理業務の中には普段聞きなれない会計用語が沢山でてきます。日本ではある程度経理の知識のある方でも、いざ英語の用語が出てくると意味がよく分からない。でもいまから大学に行ってアメリカの会計を勉強するのもちょっと....。 また人員の不足により経理のバックグラウンドがない社員が経理業務を担当しているため会計の知識をもっと身に付けてもらいたい、というお声をよく耳にします。

今回はもっと経理業務が分かるようにアメリカの会計ルールや用語を勉強したい!という皆様に、アメリカで取得できる会計資格をご紹介したいと思います。

なんとなく分かるようで分からない経理業務、もっと分かるようになりたい!

経理実務担当者ではなくとも会社をマネージメントする上で会計の知識を知り、いかに月次決算書が作られているかを知ることは経営判断をする上でとても重要です。 しかし会計用語に抵抗があり、難しいと感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

例えば
- Internal Controlが経理業務では重要だと聞くけれど具体的にはどういうことなの?
- Accrued Expenseってアクルード、アクルードって経理担当者がよく言うんだけれどなんだか今ひとつ理解できないんだよね。
- 会計士から年度末にInventoryの評価方法でLCM (Lower of Cost or Market) を計算してくださいって言われたんだけどこれってなに?
- Bank ReconciliationはなんとなくわかるんだけどなぜBookとBank Statementって一致しないことがあるの?Outstanding Checkってなに?

上記の会計用語でなんとなく分かるけれども正しく理解できているか不安。またはよく聞くけれど内容は全く理解していない、でも会社をマネージメントする上でアメリカの会計ルールを勉強したい、経理業務をもっと理解したい、でもどうしたらよいのか分からない!という皆様、思い切って資格取得を通し、勉強をしてみるというのはいかがでしょうか。

Certified Public Accountant (CPA)

まずアメリカの会計知識を勉強したい!という方で真っ先に思いつくのがCPA(米国公認会計士)試験ではないでしょうか。今まではアメリカでしか受験することができませんでしたが、現在は日本でもテストを受けることができるようになるなど(出願州によっては日本での試験会場が選べない場合もあります)、CPA試験は日本でも人気があります。ただし受験資格として大学や短大等で特定の会計科目やビジネス関連科目の単位を一定数以上取得していないと試験を受けることができないという規定があり、試験を受ける前にどのような科目が条件になっているのかを確認する必要があります。取得科目や必要単位数は出願州によってそれぞれ異なります。

CPAの試験科目は下記の4項目に分かれています。

- FAR (Financial Accounting & Reporting、財務会計)
- BEC (Business Environment & Concepts、企業経営環境、経営概念)
- REG (Regulation、諸法規)
- AUD (Auditing & Attestation、監査および証明業務)

また受験料は下記となります。 (参考: ニューヨーク州の場合、2013年10月現在)
- $190.35 (FAR)
- $171.25 (BEC)
- $171.25 (REG)
- $190.35 (AUD)

*その他Application 費用やRegistration費用などがかかり、出願州によって異なります。

受験資格のハードルが高い、またCPA レビューといわれる資格取得対策スクールに通いながら勉強する方も多く、 受験料などと合わせますとかなり費用がかかってしまうことも事実です。その一方試験科目には会計、法務、税務、経済、IT、などが含まれており、 幅広く勉強することができ、最近ではIFRS(国際会計基準)も試験問題に含まれます。

全科目合格後のLicense (認可)やCertificate (登録)の取得要件は出願州により異なります。 またLicense維持のため継続教育、Continuing Professional Education Credits(オンラインで受けられる自己学習)の単位取得が必要となります。

*CPA試験につきましての詳細はNASBAのウェブサイトでご確認ください。
National Association of State Boards of Accountancy:  http://nasba.org/exams/cpaexam/

Certified Bookkeeper (CB)

CPA試験が会計のみならずIFRSや監査など広範囲をカバーしているのに対し、CBはより経理の実務に直結したBookkeepingについて学べる資格となっています。受験資格について、Certificateを取得するためには2年の経理実務経験(または3,000時間のPart-timeもしくはFreelanceの経験)が必要となりますが、試験に合格してからでも実務経験の証明は可能(最後に受けた科目を合格してから3年以内)となっており、試験はどなたでも受けることができます。

CBの試験科目は下記の4項目に分かれています。

Adjustments and Error Correction
* Accrued Expense (未払費用)、Unearned Revenue (前受収益)、Prepaid Expense (前払費用)、Bank Reconciliation (銀行勘定調整表) また経理業務でどのような場合に間違いが発生しそれを見つけることができるかなどについて学ぶことができる科目です。

Payroll and Depreciation
* アメリカのPayroll (給与)制度の基礎知識、またDepreciation (減価償却)の計算方法、財務会計と税務会計上の違いなどについて学ぶことができる科目です。

Inventory
* Cost of Goods Sold (売上原価)の計算方法、またInventory (卸棚資産)の評価方法であるLCM (低価法)のルールなどについて学ぶことができる科目です。

Internal Controls and Fraud Prevention
* Internal Control (内部統制)を通して、会社の財産を守る、またどのようにして小切手やクレジットカード詐欺が発生するのかなどを学べる科目です。

また受験料は下記のとおりです。 (2013年10月現在)
- $100 (Adjustments and Error Correction) 
- $100 (Payroll and Depreciation)
- No Fee (Inventory)
- No Fee (Internal Controls and Fraud Prevention)

*Registration Fee やテキスト代が別途かかります。またInventoryとInternal Controls and Fraud Preventionにつきましてはテストセンターでテストを受ける必要はありません。 ご自宅でテキストについている問題を解き解答を郵送またはFAXにて送るだけとなります。

CBは経理の実務で実際に必要な基礎知識をしっかりと勉強できる資格です。また時間がなく、試験会場になかなかいけない方でも2科目は自宅で受けられるというメリットもあります。

Certificationを維持するために最後に受けた科目が合格してから、または実務経験の条件を満たしてから3年以内に(その後3年ごと)継続教育、Continuing Professional Education Credits(オンラインで受けられる自己学習)を60単位取得する必要があります。継続教育の単位取得は単に合格したら終わりではなく、プロフェッショナルとしての知識を維持するためにもとても重要です。

*CB試験につきましての詳細はAIPBのウェブサイトでご確認ください。
American Institute of Professional Bookkeepers:  https://www.aipb.org/certification_program.htm

まとめ

今回アメリカで取得可能な異なる2つの資格について簡単にご紹介しました。(さらに詳しい内容につきましてははそれぞれご紹介を致しましたNASBAならびにAIPBのウェブサイトにてご確認ください。)
経理業務に必要な知識をもっと身に付けたいので思い切って資格を取得するという方法もありますが、苦手な分野、たとえばInventoryについてもっと知りたいと思った場合、その分野のテキストだけを購入して勉強するのもよい方法かと思います。 それぞれ異なる資格になるため何を勉強したいのかをまずは明確にする必要があります。

補足解説:【なんとなく分かるようで分からない経理業務、もっと分かるようになりたい!】

Internal Controlが経理業務では重要だと聞くけれど具体的にはどういうことなの?
* Internal Control (内部統制)は、組織全般の管理体制を指し、業務の適正を確保するために必要な体制のこと。 詳しくは「管理部門の達人」 ~経理編~ 2013年9月25日号にて紹介しています。

Accrued Expenseってアクルー、アクルーって経理担当者がよく言うんだけれど今ひとつ理解できないんだよね。
* Accrued Expense (未払費用)はすでに物やサービスは受け取とっているけれどまだその対価の支払いが終わっていないものをいう。

会計士から年度末にInventoryの評価方でLCM (Lower of Cost or Market) を計算してくださいって言われたんだけどLCMってなに?
* LCM (低価法)は卸棚資産の価値を計算する際に原価と時価を比べ、どちらか低い方で評価されるというもの。

Bank ReconciliationはなんとなくわかるんだけどなぜBookとBank Statementって一致しないことがあるの?Outstanding Checkってなに?
* Outstanding Check (未払い小切手)はすでに小切手を発行し帳簿上現金が支払われたことになっているけれど、 実際受け取り手がまだ銀行で現金化していない場合、Book (帳簿)とBank Statement (銀行預金残高証) の月末残高でこの未払い小切手分の差が出ます。

Catch
© PASONA N A, INC. Pasona