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知っておきたいForm W-4の取り扱い方

(2013年8月28日の発行記事です)

知っておきたいForm W-4の取り扱い方

採用時に新入社員から提出してもらう必要な書類の1つとしてForm W-4があります。このフォームはよく耳にするフォームですが、そもそもForm W-4とは何でしょうか?

Form W-4とはEmployee’s Withholding Allowance Certificateで、雇用者が従業員の給与から適正に源泉徴収を行うことを目的としたInternal Revenue Service (IRS)のフォームです。Form W-4は従業員が記入した後、雇用者に提出します。

W-4は主に人的控除・配偶者控除(Exemption)や、ファイリングステータス(Single、Married Filing Jointly、Head of Householdなど)を基準に源泉徴収額を決定します。例えば、子供が産まれ扶養者(Dependent)が増えた場合に、新たにW-4を雇用者に提出し源泉徴収額を少なくすることができます。ただ、子供が産まれたからといって必ずW-4を提出しなおす必要は無く、W-4のBox 5にあるAllowanceの数を増やさず今まで通りのW-4のままにしておき、最終的に確定申告にて還付を受けるように申告することも可能です。

しかし、離婚や、今まで働いていなかった配偶者が仕事を始めたなど、Allowanceが下がる場合、従業員はAllowanceが下がる理由が起きた10日間以内に、変更したW-4を雇用者に提出する義務があります。

すなわち、IRSとしては適正額の源泉徴収が行われている限り、W-4を変更するのは従業員の自由という見解で、源泉徴収額が増えなければならない場合は、W-4を変更するよう従業員に義務付けていることになります。

源泉徴収額が増えなければならない場合は、W-4を変更するよう従業員に義務付けていますが、正しく従業員がW-4を変更しているか、雇用者が監視する必要はありません。ではどうやってIRSは源泉徴収額の適正を判断しているのでしょうか?

実はIRSはW-2(Wage and Tax Statement)で報告された源泉徴収額をもとに、適正なW-4を提出していない従業員を見つけ出します。源泉徴収額が適正額からものすごく低い場合、その従業員の源泉徴収額が適正になるよう IRSはMarital Statusと使用可能なAllowanceの数を限定するため、通知書(俗にLock-In-Letterと呼ばれる)を発行することがあります。

W-4の取り扱い方で、よくある事例を取り上げてみます。

Q: W-4は従業員が提出するFormなので、もし新入社員がW-4をなかなか雇用者に提出しない場合雇用者はどのように給与処理をすればよいのでしょうか?
A: 記入したW-4を提出するよう伝えたが、給与処理を行うまでにW-4が提出されない場合、IRSはMarital StatusをSingle、Allowanceはゼロ(S-0)で源泉徴収するよう指示しています。その後、記入したW-4を従業員が提出したら、W-4に基づいた源泉徴収に変更します。IRSとしては、S-0にして源泉徴収額が適正額より少なくならないよう、源泉徴収額が一番多くなるよう処理させたいのでしょう。また、源泉徴収額が一番多くなるようにしておけば、従業員にW-4を早く提出させることを促すからだとも思われます。

Q: 従業員が変更したW-4は、いつまでに給与に反映させるべきなのでしょうか?
A: IRSの規定では、遅くてもW-4を受け取ってから30日後のPay Periodまでに反映させる必要があります。
例えば、毎月15日、月末がPay Periodの区切りとなるSemi-Monthly給与であれば08/28/2013に受け取ったW-4は、09/27/2013 (08/28/2013から30日後)のPay Periodの給与処理、すなわち09/30/2013の区切りである給与処理までには、反映させる必要があります。ただし、IRSからLock-In-Letterを受け取っている場合は、その通知書より少ない源泉徴収となるW-4は、給与に反映してはいけません。

Q: W-4のフォームが毎年変わるので、毎年従業員には新しいフォームでW-4を書き直してもらう必要があるのでしょうか?
A: 例外を除いて、毎年新しいフォームに書き直してもらう必要はありませんが、毎年12月1日までに行う従業員への案内として、Marital StatusやAllowanceの数が変更した場合はW-4を提出するよう呼びかけましょう。なお、ここで言う例外とは、W-4のBox 7にExemptと記入している従業員です。W-4のBox 7にExemptと記入している従業員は、毎年2月15日までに新しいW-4を提出する必要があります。もし、期日までにW-4を提出しなければ、雇用者はS-0で源泉徴収する必要があります。

Q: 従業員のW-4はいつまで保管すればよいのでしょうか?
A: W-4をもとに源泉徴収した最新の確定申告を提出した日(4月15日、Form 1040 - U.S. Individual Income Tax Return)から4年間は保管する義務があります。

Q: 「年内中に結婚するので、前もってW-4を変更します」と従業員がW-4を提出した場合、変更はいつからすれば良いのでしょうか?
A: まだ起きていないことを基に、事前に従業員がW-4を変更することはできません。Marital Statusが変更してからW-4を提出してもらいましょう。

Q: 従業員から「確定申告で追徴金を払う必要がないようにするには、W-4のAllowanceの数は何を記入すればよいのか教えて欲しい」と質問を受けたら、アドバイスしてあげても良いのでしょうか?
A: 結果的にその従業員の源泉徴収額が足りなかった場合、アドバイスをしたあなたが罰金の責任を負わなければならないこともありえます。親身に対応してあげたいところですが、タックスアドバイザーのような役目はせず、IRS Publication 505 Tax Withholding and Estimated Taxや、IRS Publication 501 Exemptions, Standard Deduction, and Filing Informationを渡してあげたり、IRSのウェブサイトにあるIRS Withholding Calculatorを教えてあげるといった調べることが出来る情報源を伝えるだけにしましょう。

W-4と州の所得税

W-4はIRSのフォームなので連邦の所得税はW-4の記載どおりに源泉徴収を行えばよいですが、州の所得税の源泉徴収はどうしたらよいのでしょう。
州の所得税とW-4の関係は、次の3つのどれかになります。

1. 州の決まったフォームは無く、W-4を使用する。
2. 州の決まったフォームがあるが、W-4を使用することも許可している。
3. 州の決まったフォームを必ず使用するため、W-4の使用は許可していない。

それぞれ例を挙げてみます。
1の例として、コロラド州には州の源泉徴収に使用する決まったフォームが存在しません。
そのため、コロラド州の源泉徴収はW-4を使用します。 

2の例はカリフォルニア州です。 
W-4に記載されたMarital Status、Allowanceの数、毎回の給与でより多く源泉徴収したい金額(Additional amount from each paycheck)のそれぞれの情報をまったく同じようにカリフォルニア州の所得税にも適用したい場合は、従業員はW-4のみを提出すればよいですが、もし、1つでもW-4と異なるように処理する場合は、従業員はカリフォルニア州のフォームであるForm DE4を使用する必要があります。例えば、カリフォルニア州の所得税のみ、毎回の給与処理に$50追加で源泉徴収されるよう従業員が希望する場合、従業員はForm DE4を記入する必要があります。

3の例はインディアナ州で、州の源泉徴収についてはインディアナ州で定められたフォームであるForm WH-4を使用します。

給与処理に含む州がW-4の使用を許可しているかどうか、必ず確認しておきましょう。

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