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「管理部門の達人」 ~人事編~

(2013年8月14日の発行記事です)

雇用前身元調査(Background check)が複雑化。Criminal Checkの留意点

米系企業の80%以上がBackground checkを行っているそうです。弊社より人材サービスをご利用頂く日系企業様のうち、約60%が自社又は弊社サービスを利用して雇用前調査を行っておりますが、米系と比べると日系企業のBackground checkの浸透度はまだ低いように感じます。

なぜ企業は雇用前Background checkを実施するのでしょうか。

主な目的は下記になります。
1. 従業員とお客様への安全の確保
2. 怠慢雇用 (Negligent Hiring)のLiabilityの軽減
3. 盗難などの犯罪行為の防除

Background checkを実施することで、採用前に防げるリスクが多いことは確かですが、実施の仕方(例: 記入してもらうフォームや手順)、実施内容 (例: Credit Checkを全職種の応募者に実施するなど)、結果のハンドリング (例: 犯罪歴がある人を採用しないなど)によっては、州・連邦や各種機関の法律やガイダンスの違反になることがありますので、実施する際は知識のあるスタッフが対応することをお勧めします。

近年のBackground checkに関する規制により企業が頭を悩ませていることが、EEOC (雇用機会均等委員会 )が発表した犯罪歴のある求職者に対する採用基準です。そこでは犯罪歴があるという事実だけで採用判断をせずに、その人を雇う予定のポジションの職務内容と犯罪とのリンクや、犯した罪の重さ、そしてその犯罪からどのくらいの期間が経っているかを判断基準に入れ、決して犯罪歴があることのみを基準に不採用にしないように訴えています。(http://www.eeoc.gov/laws/practices/inquiries_arrest_conviction.cfm)EEOCは犯罪歴がある方が再就職をし難い現状を改善するため、このような基準を設けているようですが、企業としては犯罪歴調査を会社や従業員を守るために実施し Negligent Hiringを避けようと対応しているのに、結果で判断し難くなっていますから矛盾を感じずにはいられません。

Background checkに関する法律や実施のガイドラインは今後も複雑化すると予想されます。
現在目が離せないのが、マリファナの合法化によるDrug Screeningへの影響です。

パソナでは、正社員雇用予定のご紹介者に対し、雇用前Background checkを無料代行しております。また、弊社からのご紹介ではない採用予定者へのBackground checkの代行も承ります。企業様のBackground check Policyにあわせて最終面談後に実施しておりますので、最寄拠点、又は担当営業やリクルーターまでお問い合わせ下さい。

誰でもわかるリタイヤメント講座 第2回

どのような企業で、どんなリタイヤメントプランを作れば良いのでしょうか。これから解説して行きたいと思いますが、まずは具体的なケースに入る前に、リタイヤメントプランについて知っておくべき、一つの重要な原則について解説をします。

アメリカをはじめ、多くの国では「所得税」という課税の方式があります。これは、国民が所得を得た時には、それに対しては必ず課税される、というコンセプトです。そもそも、政府がこのように税金を徴収する目的は、国民を幸福にするための予算にあてるためです。

政府は、ソーシャルセキュリティ制度を通じて、国民の幸福における重要なテーマの一つである「老後生活の安定」にお金を使います。しかしながら、ソーシャルセキュリティだけでは全ての国民の退職後の面倒まで見切ることはできません。そこで、所得税という課税方式に例外が作られ、
「国民の老後安定を目的にお金を貯めるのであれば、税金をしばらく払わなくともいいよ」
「企業は、社員の老後貯蓄のためだったら、経費として認めるよ」
という自助的な制度を生んだのです。この考え方が実現し、運用されているのが、現在のリタイヤメントプランの姿です。

重要なのは、これが国民と政府との取引である、という基本原則です。国民は所得税をなるべく払いたくない。政府は「老後生活の安定」を提供したい。そこで国民と政府の間に取引が生まれ、「国民は、政府の指定するやり方にしたがえば、老後の貯蓄に課税されない」ことになります。この、「政府の指定するやり方にしたがえば」というのがポイントです。

これだけ聞くと、至極当たり前の話のようにも聞こえますが、この基本原則に度々立ち返ることは非常に重要です。 なぜなら、リタイヤメントプランが宣伝・営業される際、多くの場合「節税対策」というメリットだけが売り文句として先行し、企業や個人が負わなければならない義務やコスト、リスクなどは注目されないことがあるからです。
一時期企業の調子が良くて利益が出過ぎたのでリタイヤメントプランを安易にセットアップしたら、後で大変な負担を強いられた、という例は実に多く見られます。個別のケースに応じて、適切なプランを利用した時にのみ、企業や個人はその利益を享受することができるのです。

それでは、アメリカ政府はどのようなリタイヤメントプランを用意しているのか、一通り挙げてみましょう。 例を見てみると、

Cash Balance Plan, Defined Benefit Plan, Money Purchase Plan, Target Benefit Plan, Profit Sharing Plan, 401(k) Plan, 403(b) Plan, 457 Plan, SEP IRA, SARSEP, SIMPLE IRA, SIMPLE 401(k), Keogh

などが挙げられます。このようにしてみると、多くの選択肢があるように思えますが、実はここに挙げた多くのプランは、すでに「化石」となっています。

例えば以下のプランは、法制の変化や、新しいプラン制度の導入などによりメリットを失い、その結果 今では全く使われなくなっている、(ただし、昔セットアップされたものは今でも残っている)というものです。

Cash Balance Plan, Money Purchase Plan, Target Benefit Plan, SARSEP, SIMPLE 401(k), Keogh

それぞれがなぜ使われなくなったかは、長いストーリーになりますので、ここでは割愛させていただきます。 これから検討される方にとって重要なことは、上記のプランをどこかで見たり聞いたりしても、「検討する必要はない」ということです。

また、401(k) Plan, 403(b) Plan, 457 Planは、兄弟のようなものです。細かい点は異なるのですが、拠出上限などは似ていますので、ここでは代表として"401(k) Plan"だけを覚えていただければ良いと思います。 団体によっては403(b) Planや457 Planを使用することになりますが、これは401(k) Planの考え方を知っていれば応用が利くはずです。そうすると、実質的に知っておくべきリタイヤメントプランの種類は、以下の5つのみに絞ることができます。

  • Defined Benefit Plan
  • Profit Sharing Plan
  • 401(k) Plan
  • SEP IRA
  • SIMPLE IRA

次回は、この5つを、さらに細かく分類していきたいと思います。

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