Pasona

top

「管理部門の達人」 ~人事編~

(2013年7月10日の発行記事です)

オバマケアと人材派遣の需要の相互関係

去る7月2日にオバマ政権はアメリカの医療保険改革(通称:オバマケア)に盛り込んでいた「雇い主による従業員への医療保険の提供義務化」について、義務化を1年先送りすると発表しました。
2010年にオバマ大統領が医療保険改革法を設立した理由は、アメリカ国民の6人に1人は医療保険に加入していないことや、医療費支払いが理由で破産する国民がでる状況を改善するためでした。
しかし、2014年1月1日より雇用主(企業)がフルタイム社員に対し、基準にあった医療保険を提供しなければ労働者1人当たり2,000ドルの罰金が課されるなど、企業にとっての負担が大きく、また施行まで時期が迫っているのに規定が曖昧であることに不満の声が上がっていました。
適用時期は1年延期となりましたが、オバマケアは確実にアメリカ国民と居住する外国人に医療保険への加入義務化を進めて行きます。
それに伴い、企業も法律に準じた医療保険の提供を義務付けられますので今後もニュースから目が離せません。

人材業界では、オバマケアで派遣社員の需要がどう変動するかが話題となっており、一般的に言われているのは、派遣社員の増加です。
オバマケアで対象となる企業は、ベネフィットアドミニストレーション(加入や脱退手続き、フルタイム社員となるかの勤務時間トラッキングとその算出など)の業務が増え、法律に準じるために人件費も上がると予想されています。
また、派遣社員の離職の主な理由に「医療保険がない、又は保険内容が正社員より悪い」が挙げられていましたが、オバマケアにより派遣会社も一般企業と同じように医療保険内容を満たしていなければなりません。
よって、「正社員じゃなくても良い医療保険に入れる=派遣社員が安定し雇用が長期化する」と長期派遣を希望する企業にとっては良い方向に向かうでしょう。
このベネフィットアドミニストレーションのコストダウンと派遣長期化が可能になる点からも、派遣社員の増加が予想されます。
2018年までの複数年にわたり、オバマケアの施策は順次施行されて行きます。パソナでは随時情報をアップデートし、法律に準じた人材サービスを提供して参りますので、人事・人材のご要望がございましたらお気軽にお問合せ下さい。

誰でもわかるリタイヤメント講座 第1回

「リタイヤメントプランを作りたいが、日本の本社にコストをどう説明したら良いかわからない」
「会社が儲かって仕方がない。節税対策としてリタイヤメントプランを作りたい」
「経営者のリタイヤメントアカウントへ数十万ドル入れる方法があると聞いたが、どうすれば良いか」
「今、401(k) Planに入っているが、投資のコストが高いようだ。低くする方法はないか」
「従業員からリタイヤメントプランでマッチングの要望が強いが、どう設定するのが一般的なのか」

以上は、アメリカの企業で経営や人事に携わる日本人の方から、よく聞かれる質問です。 本コラムのシリーズでは、アメリカのリタイヤメントプランに関する基礎の解説や、事例の紹介によって、これらの疑問を一つ一つ解決していきたいと思います。

ここでは、以下の3名の日本人のモデルケースを紹介します。

Aさん:
日本にある中堅機械メーカーの駐在員として、LAに2年前から滞在。LAでは経営全般を任される現地マネージャーとして事業を運営。会社には従業員は20人いるが、今のところリタイヤメントプランを持っていない。より良い人材を確保するために、同業他社と同レベルかそれ以上の福利厚生を提供しなければならないと考えている。自身は日本の本社が提供する年金制度に加入しており、アメリカでの年金加入は考えていない。週末はゴルフに出かけ、家族と買い物に出かけるのが趣味。一男一女の父親。

Bさん:
アメリカ在住30年。夢を追って渡米し、20年前に貿易業を起業し、今では社員を15人雇う敏腕社長。ゼロから事業を築いてきたという自負が強く、利益に対する執着が強い。従業員のことは大事に思っているものの、最もリスクを負ってきた自分と家族に対しての報酬を最大化したい。会社でリタイヤメントプランを作ることにより、大幅な節税を実現すると共に、将来のための貯蓄を増やしたいと考えている。週末も仕事に励む、三男の父親。

Cさん:
アメリカ在住20年。日本で税理士としての職務経験の後、大学院の学生として渡米し、アメリカ人と結婚。子育てが落ち着いてきた頃、日本のITベンチャー企業のCFOとして現地採用される。共働きをしており、10万ドルを超える年収だが、教育費、住居費、医療費が高いためにあまり貯蓄が出来ておらず、将来 に不安を感じている。従業員のため、ひいては自分の家族のために、本社にリタイヤメントプランを作ることを提案しようと考えているが、ベンチャー企業のCFOとしては、福利厚生にお金と手間をあまりかけることができない会社の実情も理解している。家族と年1回の海外旅行が楽しみな、二女の母親。

アメリカでは401(k)、Defined Benefit、SEP、SIMPLEなど、多種多様なリタイヤメントプランが存在しますが、設立の目的に応じて、作るべきプランが異なってきます。
Aさん、Bさん、Cさんの悩みを解決する過程で、それぞれが勤める会社に対して、どんなリタイヤメントプランが適しているのか、次回以降で詳しく検証して行きたいと思います。

Catch
© PASONA N A, INC. Pasona