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グロスアップの基礎知識 8 (失業保険税)

(2010年9月の発行記事です)
グロスアップ計算とは、本来本人が負担すべき源泉所得税を計算することでその人の総所得(Gross Wage)を算出するものです。Net(本人への支給額)+Taxes(所得税)=Gross(総所得)の構図です。一方、現地採用の社員の場合は、Gross - Taxes = Netの構図となります。逆ですね。 つまり、駐在員の場合はグロスアップ計算をするまではその人にかかる給与コスト(Gross)が確定しない事となります。

会社が負担する「給与コスト」という意味では、本人への給与(Gross)だけではなく、失業保険税も考慮する必要があります。この失業保険税は本人からの源泉ではなく、雇用主が給与とは別に負担する給与関連税となります。以前はこの給与関係税にFICA(米国社会保障税)の会社負担分も含まれていましたが、2005年10月以降日米社会保障協定が発効されてからは米国への社会保障税の支払いが原則なくなりましたので、現在は失業保険税だけとなっています。

失業保険税は所得税同様に連邦と州の2つが存在します(ローカルはありません)。基本的に失業者に対する失業保険の支払いは州単位で行われ、基金も州が管理しています。ただ、数年前のNY州のように、大量の失業者が同時に発生し、基金が破綻したような場合は連邦が支援することもあります。連邦、州それぞれの失業保険税の仕組みを以下に簡単に説明いたします。

1. 連邦失業保険税(FUTA-Federal Unemployment Tax Act)

暦年単位で課税され、年初から上限$7,000まで0.8%の税率で税金が課せられます。つまり年間一人につき$56($7,000 x 0.8%)の負担となります。 もともと税率は6.2%ですが、州に対して適切な失業保険を支払っているという前提において5.4%のクレジットが認められている為、結果的に0.8%だけが課税される仕組みになっています。 納税は四半期毎にしておく必要がありますが、申告は年度末においてForm 940で行います。この時に州に対して適切に納税しているかどうかが確認されるようになっています。

2. 州失業保険税(SUI-State Unemployment Insurance)

FUTA同様に暦年単位で課税されます。ただ、税金のかかる課税対象額の上限は州によって異なります。例えばCaliforniaであれば$7,000まで、New York であれば$8,500までとまちまちです。税率についてもFUTAのように一律の税率ではなく、これは会社の状況によって異なってきます。
つまり、会社都合で多くの社員をクビにしているような会社は税率が高くなり、逆に失業者が少ない場合は税率が下がっていきます。新規企業に適用される税率がだいた3%~4%となりますが、失業者を多く輩出してしまうと10%近くまで上がってしまいます。 会社が支払う失業保険税は州か管理する口座に積立てられ、州はその残高が適正に保てるよう毎年税率を変更してきます。 一度に多くの失業者を出した場合などは、不足している積立基金分を現金で請求してくる場合もあります。

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