Pasona

top

グロスアップの基礎知識 4 (計算に必要な個人情報)

(2010年6月の発行記事です)
課税すべき所得が確定したところで、実際のグロスアップ計算に必要な個人情報をひとつひとつ確認してみましょう。

1. 名前とソーシャル・セキュリティ番号(SSN)

就労ビザで渡米(赴任)すると、すぐにSSNを申請し番号を取得します。
実は大事なのは番号だけではなくソーシャル・セキュリティーカードに書かれている名前も大変重要です。稀にですが、First Name と Last Name が入れ替わっていたり、本来SATO(佐藤)なのにカードではSATOHとなっていたり、正しく登録されていないケースがあります。これは確定申告時に問題となりますので取得時に確認するようにしてください。 間違っていることに気づいたらSocial Security Officeにカードの再発行(再登録)の手続きが必要です。放置しておくと毎回の確定申告で通知を受け、非常に面倒なことになります。

2. 婚姻状況と扶養家族

笑い話のようですが、単身赴任で米国滞在している既婚の駐在員が「独身」と米国で申告しているケースがあります。これは間違いです。
その年の12月31日の婚姻状況で申告しなければいけません。 たとえ配偶者が日本在住で一度も米国に来たことがなくても、納税者番号(ITIN)さえ取得すれば「夫婦合算申告」をすることが可能で、税金的にも独身にくらべるとはるかに低い納税額となります。
扶養家族(子供など)は同居が基本です。日本に残してきている子供は税法上扶養対象者とならず、人的控除(Exemption)が受けられません。
よって、夫婦+子供2人が米国で同居、別の子供1人は日本で大学へ通っている、という場合は、Married and 4 exemptions(既婚で人的控除4人分)というのがグロスアップ計算での根拠となります。
また、17歳以下の子供を扶養している場合、Child Tax Creditというクレジットが受けれる可能性がありますが、所得制限があるので取れるケースは少ないと思います。

3. 勤務地と居住地

ほとんどの場合、勤務地と居住者は同じ州ですが、VA→DC とか MD→DCなど、他州から通勤する場合もあります。また、PA州やOH州、KY州などローカル税がある州は勤務地と居住地を正確に把握する必要があります。
グロスアップ計算する時点でこれらの情報を正しく把握しておかないと、間違った州やローカルへ税金を支払ってしまい、確定申告で大変困った事態になってしまいます。

4. 赴任日と帰任日

過年度ではなく、該当年度(今年なら2010年内)に赴任、帰任された方で必要な情報です。赴任前、帰任後に米国出張がある人もいるでしょうが、ここで言う赴任日、帰任日はそれぞれ日本の居住を抜いて渡米した日、および、日本に住民票を入れるのを前提に米国を離れた日、となります。赴任者の場合は183日ルールを見る為、過去2年間の米国への出入国記録も必要となってきます(休暇、仕事に関係なく)。

5. 適用証明書の有無

渡米前に日本の人事部が申請し適用証明書を入手しているはずです。これがあれば日米社会保障条約において米国での社会保障税が最長5年間免除されます。この証明書はIRSなどへの提出義務はありませんが保管の義務がありますので必ず確認してください。

以上、①~⑤の情報が揃ったところで実際の税金計算に入ります。

Catch
© PASONA N A, INC. Pasona