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新規赴任者、帰任者の申告書

(2010年2月の発行記事です)
赴任者や帰任者は、通年居住者より多くの情報が必要となってきます。 また、申告書も「居住者申告」、「二重身分申告」、「非居住者申告」に分かれ、その申告形態によって申告する所得やかかる税金がが違ってきます。 以下、赴任者、帰任者の特徴を簡単に説明いたします。

新規赴任者の場合

赴任(渡米)する時期でだいたいの申告形態が決まります。

1) 1月~5月くらいまでの赴任

一般的にこの期間での赴任者(既婚者)は「居住者申告」を選択します。 この場合、赴任前の日本での所得もアメリカに申告することになりますが、納税者に最も有利な「夫婦合算申告レート」の税率が適用できる為、税額を低く抑えることができます。
なお、独身者はかかる税率が「独身者レート」のひとつしかない為、赴任前の所得を申告し、居住者申告を選択するということはありません。

2) 6月頃~7月3日までの赴任

前述の「居住者申告」を選択することもできますが、赴任前の所得額が大きすぎる為、結果的に税額が増えてしまいます。よって、赴任後だけの所得を申告する二重身分での申告を選択します。この場合、申告する所得は「居住者申告」より少なくなりますが、かかる税率の高い「夫婦別申告レート」を適用しなければいけなくなります。
赴任するタイミングとしては不利と考えられます。

3) 7月3日以降の赴任(183日ルールの範囲内)

「非居住者申告」と呼ばれるものです。「二重身分申告」同様にかかる税率の高い「夫婦別申告レート」を適用しなければいけませんが、二重身分申告よりも少ない所得申告ですむケースが多くなります。これは、非居住者申告の場合、「米国源泉所得」のみを申告すればよいので、12月に受取る賞与のうち、査定期間が赴任前に該当する所得については、米国へ申告する必要がないためです。
また、日本の利子所得、配当金、賃貸収入など、日本国内で発生している個人所得についても申告の必要がないので、個人的にも二重身分での申告より有利に働きます。

帰任者の場合

帰任者の申告書は基本的に「二重身分申告」となります。つまり、帰国するまでが米国の居住者で、帰国後が非居住者としての申告です。

この場合、帰国までの居住者期間は全世界所得で課税となりますので、日米で受取った所得のすべてが申告対象となります。一方、帰国後の非居住者期間は、前述のように「米国源泉所得」は課税対象となるため、帰国後に受取った賞与のうち、その査定期間が米国滞在期間にかかる部分は、期間按分して米国に所得申告しなければいけません。

通常、グロスアップ計算では、年初から支払っている税金は通年居住することを前提に計算されているので(夫婦合算申告レート)、年内に帰国となるとかかる税率の高い夫婦別申告レートで年初まで遡ってグロスアップ計算のやり直しをする必要がでてきます。 よって、帰国月の税額、もしくは、年末調整での税額が極端に大きくなってくる可能性があります。年前半での帰国であれば、このかかる税率の違いから発生する差額は小さいのですが、年の後半になればなるほどこの差額が大きくなり、高額な税金を追加で納税しなければいけないケースもでてきます。よって、年の後半に帰国することは会社の税負担が大きくなることを意味します。

下記図表のようなイメージとなります

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