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確定申告書作成業務の流れ

(2010年1月発行の記事です)
1月も終わりに近づき、いよいよ確定申告シーズンの始まりです。 いつもこの業務をやっているわけではありませんから、いつ何をやらなければいけないのか一年経ってしまうと忘れがちです。 では、この業務を Step by Step で見直してみましょう。 先ずは一連の業務内容をA-Zでリストしてみましたので確認してください。 以下、それぞれの業務で注意しなければいけないことを説明いたします。

1. 基本方針確認作業 (12月~1月)

これはシーズン前に会計事務所と行う作業です。「申告書の作成はすべて会計事務所に任せている」と考えがちですが、作成前にいろいろと取り決めをしておく必要があります。
例えば:

1. 申告書で使う住所は会社の住所、それとも、個人の自宅住所
2. 税金を過払いしていた場合、還付請求、それとも、翌年への繰越
3. 既に帰国した人の申告書は誰が署名するのか など

他にも事前に取り決めしておかなければいけないことはたくさんあります。 税法は毎年のように変更されています。「昨年と同じ方針でいい」という具合にはいかない事もでてきます。会社のリスク管理という意味でも、大変重要なところですのでシーズン前に確認するようにしましょう。

2. 対象者の特定作業(1月末まで)

実際に申告書を作成しなければいけない対象者を特定します。 米国で給与を受け取り、Form W-2(源泉徴収票)を受け取っている人はもちろんですが、 183日ルールをにより対象となる長期出張者がいないかどうか確認することも必要です。
また、既に日本に帰国(2008年)している人でも、2008年の申告書において、州からの還付金が高額な場合、翌年2009年の連邦の申告書の作成が必要な場合もありますのでご注意ください。
このケースの場合、申告しないと後で必ずIRSよりNotice(通知)を受けます。 これは、州からの還付金は、翌年の連邦の課税対象所得となる為です。

3. 会社の給与情報の提出(2月初旬まで)

通常、毎月の給与処理を行っているサービスプロバイダーが会計事務所に必要な情報を提出します。 12月に「所得税の年末調整」をやっていれば、ほとんどの情報はその時点で準備が完了しているはずですが、赴任者がその年日本で支払った所得税の情報は、年末調整の時点では最終確定していませんので、年を明けて1月に本社に最終確定した納税額(日本の源泉徴収票)を入手する必要があります。
年末調整を行っていない場合は、赴任前、帰任後の給与情報、Form W-2に含まれていない課税対象所得の確認作業など、Form W-2以外に必要な情報が多くありますので早めに準備しておく必要があります。

4. 個人情報の記入、提出(2月半ば頃まで)

申告書を作成する会計事務所が配布する質問書(ウェブ質問書など)を駐在員本人が記入します。 基本的に駐在員本人の作業ではありますが、記入方法がわからない、とか、日本の賃貸物件の情報は出さなきゃいけないのか、など、あらゆる質問が舞い込んできます。
確定申告書は個人の責任とは言え、会社で面倒みている以上、無関心でいるわけにもいきません。 事前に会計事務所に不明な点を確認しておくことが肝心です。シーズン中では会計事務所も忙しく、なかなか迅速に対応してくれません。

5. 個人確定申告書作成作業(2月~3月)

会計事務所は駐在員から質問書の回答を受け、だいたい一ヶ月くらいで申告書の作成を完了させます。ほとんどの場合、問題なく作業は進みますが、中には特殊な案件があり、申告書の作成が進まないケースもあります。 先ずは「何が問題なのか」を特定し、必要な情報は何なのか、誰が判断すべきなのかを明確にする必要があります。 会計事務所は問題のある申告書は棚に置いてしまいがちなので、こちらからプッシュしないと先に進まないことが多々あります。 3月下旬までに解決できない場合、延長申請となり余計な費用がかかってきます。後に仕事を残さないよう、期日までに終わらせましょう。

6. 申告書の提出作業 (4月15日まで)

申告書作成の過程で一番面倒なところです。
出張の多い駐在員は提出の段階で所在の確認が必要で、夫婦合算申告の場合は配偶者の署名も必要となってきます。更に、追加納税が必要であれば、会社の小切手を準備して、申告書と一緒に本人に渡さなければいけないなど、事務作業が重なります。 法人の会計、経理を兼任されている場合は、決算と重なって大変なプレッシャーとなってしまいます。この部分の業務をアウトソースされる企業は多くみられます。

7. 税金の振り分け計算(申告シーズン後)

このニュースレターの Vol. 1 でも説明していますが、会社によっては申告書を提出した後、会社と個人の間で税負担を明確化するところがあります。 時期的には5月以後、夏場に行われます。帰任してしまう駐在員もいますので、早めに結果を出して清算しておくようにしましょう。

8. 申告書提出後の対応(提出3ヶ月後頃~)

ここ数年、申告書を提出した州からの問い合わせや追加納税の請求などのNoticeが頻繁に送られてくるようになりました。これは州の財政悪化から、今までより厳しく申告書の内容を確認しているものと思われます。 中には対応の必要もないものがあったり、完全に州の間違いのケースも多く見られます。会計事務所に丸投げすると費用請求をされたりしますので、出来るだけふるいにかけて、会計事務所に調査を依頼するかどうかを決める必要があります。
同じようなNoticeの対応を過去にしていないかどうか、他社で同じようなNoticeを受け取っていないか聞き込みするなど、自分の知識を広げておく必要があると思われます。 Noticeの対応が遅れると、ペナルティーや利息などが加算され、傷口を広げてしまうことも考えられますのでご注意ください。

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