Pasona

top

給与年末調整 vs 個人確定申告

(2009年12月発行の記事です)
年末に行われる給与の年末調整とは、その年一年間に会社から支払われた給与所得に対し、米国所得税が適切に源泉されているかどうかを確認する計算です。支払いが多すぎた場合は税金のマイナス調整、足りない場合は追加で納税します。

日本では、この年末調整を行うことで給与所得に対する所得税が確定し、基本的に個人が確定申告を行う必要はありません。一方米国では、たとえ会社が年末調整を行ったとしても、毎年個人の確定申告を行う必要があります。これは、米国は総合課税の税制度を取っている為、給与所得に加え、個人が得た銀行利息や配当金、キャピタルゲインなどを合算し、そこから最終的に支払うべき所得税を計算するためです。

理論的には、会社が行う年末調整で給与所得に対する所得税額が確定するので、個人確定申告での税金の過不足は個人の所得や控除によるものと考えられますが、実際はそのようにはっきり区別できるものではありません。その理由として:

1. グロスアップ計算で行った年末調整の精度

手取保障で支払われた給与は、グロスアップという計算で税金を逆算し(加算し)、税金を含んだ総支給額を算出するわけですが、この計算は極めて複雑で、100%正しく計算されているとは限りません。大手会計事務所の計算プログラムにおいても必ずと言っていいほど誤差が生じてきます。精度の低いグロスアップ計算だと、個人の確定申告で数千ドルの誤差が生じてくる場合もあり得ます。

2. 出張での渡米記録など、年末調整時にはなかった情報が影響する

赴任者や帰任者の場合、年末調整はその赴任日や帰任日を基準に税金は計算されています。ところが、赴任前に米国に出張していたりすると、その基準が大きくずれ込み、申告形態が変わることがあります(非居住者→居住者など)。そうすると、根本から税金計算の根拠が変わってしまい、非常に大きな税金のずれが確定申告で発生してきてしまいます。

3. 税法の変更

2、3年前にもありましたが、IRSが年末に税法の変更を行いました(Alternative Minimum Tax)。通常年末調整は12月の給与支給に合わせて行うため、この税法の変更を反映させることができず計算されてしまいました。翌4月の個人確定申告においては、当然新しい税法で税金が計算される為、大きな誤差が生じてしまいました。

これらの理由により、米国の年末調整は日本で行われている「所得税を最終確定させる為の年末調整」とはその性質が異なり、確定申告をするまでは給与所得に対する所得税は確定できない、となります。つまり、会社が負担すべき所得税は年末調整で確定したわけではない、
ということです。

特に1番のグロスアップ計算の精度は、計算を行う会計事務所などの知識や能力により大きな違いがあると思われます。
誤差が大きすぎた場合、ペナルティーなどが発生することもありますので注意が必要です。

Catch
© PASONA N A, INC. Pasona