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日米社会保障協定について

(2009年1月発行の記事です)
約4年前の2005年10月1日付で日米社会保障協定が発効されました。これは、社会保障制度の二重加入の防止が目的です。それまでは、日本からの駐在員は日本の社会保障税度に加入していても、米国の社会保障制度にも加入することが義務付けられており、いわゆる「二重払い」の現象が起きていました。
将来的に、米国の社会保障の恩恵を受ける可能性が極めて低い駐在員にとって「保険料の掛け捨て」が続いていたわけです。手取保障の概念に基づき、実際には米国における雇用者、雇用主負担双方の税金を負担していた企業にとって、この社会保障協定が発効されたことで、大きな「給与コストのダウン」となり、当時大変歓迎されました。
また、この協定は「通算協定」とも言われ、過去二重払いをしていた駐在員は「支払い年数」を通算できることとなり、米国年金の受給資格を得る人も出てきています。

協定相手国である米国の社会保障税の免除を受けるには、条件を満たした上で社会保険事務所より「適用証明書」の交付を受ける必要があります。原則として5年間の免除を受けられるわけですが、来年2010年9月30日に最初の期日を迎える事になります(2005年10月1日から5年目)。 それまでに帰国される方も多いと思いますが、継続して米国に駐在される予定の方も少なからずいらっしゃると思います。その場合、「米国社会保障税免除の延長」が必要となってきます。
1年目の延長(滞在6年目)は当時予測できなかった理由が説明できれば認められると言われていますが、2年目以降(滞在7年目以降)は特別な理由がない限り認められない事となっています。延長申請が否認された場合、その時点から米国の社会保障制度への加入が義務付けられ、日本の社会保障制度へは原則加入できなくなります。延長申請に関しては、以下のウェブサイトをご確認ください。

適用証明書の有効期間は一律5年ではありません。申請書の情報に基づき社会保険事務所が決定していますので、個別に確認しておく必要があります。適用証明書の有効期限が切れて米国に滞在している場合、厳密には米国の社会保障制度に加入することになりますので、ビザ同様、有効期限には十分注意しておくことが必要です。 適用証明書の有効期間の基本的な考え方は下記のようになります。

延長申請が否認されるなどの理由で、米国の社会保障制度に加入することになると、協定発効前同様に会社が雇用者、雇用主負担双方の税金を負担することとなり、本人の総所得(グロス)上昇に伴う所得税の増加を加味すると年間で1万ドル~2万ドル/一人のコスト増となってしまいます。「二重払い」に対する明確な罰則規定がこの協定にないことから、日本の社会保障制度にも継続して加入することも現実的には考えられ、コスト増はそのまま会社負担となってきます。会社としては、そこまでしてその人材を確保する必要があるのか、新しい駐在員と入れ替えるのか判断をしていく必要があるのではないでしょうか。

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