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第10回 「管理部門の達人」 ~経理編~ 社内経理と外部委託について

(2013年2月27日の発行記事です)
皆さまの会社の「経理」はどのような体制でどのような機能が備わっていますか? 企業に必ず欠かせない経理機能ですが、それをどこに、誰が持っているかは企業に よって様々です。 社内で帳簿付けから税金の計算まで監査以外の全ての会計・経理業務を行っている場 合もあれば、経理機能は社内に持たず、全てを社外に委託している場合もあります。 今回は、社内外に経理機能を持つメリットとデメリットについて考えてみます。

経理機能を社内に持ったとき

Everest Groupの調査 によると、米国での経理委託サービス(Finance and Accounting Outsourcing)のマーケットはここ数年、 10%~15%で伸びています。 日本でも、近年、外部委託サービスは盛んになっているように感じられますが、 まだまだ経理機能を社内に持っている企業が多いように感じます 。それでは何故、社内に経理機能を置いているのでしょうか。
社内に経理部を置いているメリットを活かせているかどうか、そしてデメリットに悩まされていないかを考えながら読んでみて下さい。

社内で経理機能を持つことのメリット

  • 緊急対応がしやすい
    「今すぐにお願い!」という事が出来ますので、緊急時にすぐに対応できる安心感があります。
  • 経理以外の業務もお願いできる
    Job Descriptionから外れない限りは、経理以外の業務をお願い出来ます。 一人分の経理業務がない場合など、アドミン業務やHR業務などを兼務している経理担当者も多いです。
  • 人材の選択ができる
    当然ながら、自社で面接をして採用ができます。
    さらに、良い人材を採用できた場合に、長期間お仕事をしてもらえる環境づくりやポジションのオファーが出来ます。
  • 従業員とのコミュニケーションを短時間で行える
    経理部門は、他部署とのコミュニケーションが多いため、他の従業員の業務内容を把握していたり、   状況を把握している事で、コミュニケーションがスムーズになります。

社内で経理部署を持つことのデメリット

  • 知識の固定化
    経理担当者個人の知識や経験に知識や専門性を依存しますので、セミナーや交流会など、 プロアクティブに情報を収集しないと、新しい規定や規定の変更に対応できていない事があります。 新しい商品やサービス、ソフトウェア機能を知らないために、非効率的な 経理フローを行っている事も多々見かけます。IT化に遅れたり、無駄な作業に時間を費やし続けることを避けるためにもコンサルティングの活用など、自発的に外部から客観的なフィードバックを受ける努力が必要となります。
  • バックアップ体制の問題
    「第9回 バックアップ要員の重要性とそのつくり方」でお話したとおり、経理機能のバックアップを作りたいものですが、経理部の場合、余剰人員をかかえていない事が多いため、バックアップを作るのは難しいです。
  • 業務効率化を効果的に行えない
    既に業務がルーティーン化して問題がない場合、業務効率化を効果的に行う事は難しいように感じます。長年同じ業務を行っていると、業務内容に疑問点を持つ事が難しくなります。
  • 人材育成、査定、移動の難しさ
    経理部が複数人数いる場合、昇進・昇格もありますが、1人だけの場合、仕事内容が同じ中での昇進・昇格は現実的ではありません。 また、売上を伴わない部署のため、人材育成・査定も中々難しいのが現状です。

外部委託から社内経理に移行して成功したA社の例

A社は、米国に現地法人立ち上げた当初は、決算処理を行う経理社員を1名雇うほどのボリュームはありませんでした。 そのため、立上げてからしばらくは完全に外部委託をしていました。 社内では外部委託先(Pasona N A)へ情報を送るアドミン業務や緊急支払い対応を派遣社員にお願いしていました。 ビジネスが急成長し、緊急支払い対応が増え、現金を取り扱う事も多かったたため、派遣社員を正社員にし、 さらにコントローラー1名(CPA)、経理マネージャー1名、派遣社員1名を増員し、経理部を完全社内化をしました。 外部委託からの引継ぎですので、計画的に引き継ぎをする事ができ、スムーズに移行をする事ができました。

経理機能を外部委託したとき

それでは、社外に経理機能を置く場合のメリットとデメリットはどうでしょうか。
ここでお話している外部委託とは、事後情報を集めた記帳代行ではなく、支払い業務 や請求書作成なども含めた、オンタイムに行われる経理業務全般の外部委託を指しております。

経理機能を外部委託した場合のメリット

  • 高い専門性と多くの経験
    プロフェッショナルによるサービスのため、アップデートされた知識や多くの経験に安心が出来ます。
  • 業務の標準化
    外部委託の場合、業務内容を属人化させないシステムを整えていますし、そのための業務効率化も適宜行われています。 不必要な業務は出来るだけそぎ落とし、必要な事に重点を置いたスリムな経理業務を可能にします。
  • ボリュームや状況に合わせて変動費化できる
    正社員を雇用した場合は給与額が固定化されますが、外部委託の場合、 サービス内容なやボリュームに合わせてサービス料金を変動する事が出来ます。 業績量の波がある場合に、人材の雇用や解雇などに頭を悩ませなくて良いのは大きなメリットです。
  • 社内的にセンシティブな内容 でも相談ができる
    例えば、給与情報や人事異動など、社内ではセンシティブな業務内容の対応でも、外部委託であれば心配がいりません。 社内的にセンシティブな内容でも相談する事が出来ます。
  • 不正の抑制
    外部委託の場合、第三者がプロセスに入るため、社内経理の不正の抑制になります。 承認フローがきちんとしているかなどのレビューも入りますので、それだけでも抑制になります。
  • コストダウン
    社員の給与以外にも、福利厚生費、人材の入れ替えコストや人材育成費用、 会計士や弁護士費用など総合的に考えると、コストダウンとなる事が多いです。 プロフェッショナル分野の外部委託ですので、そのままのボリュームやフローでは割高になる可能性が高いですが、 どのような業務を外部委託し、どのようなフローにすると効率的かを、委託会社と十分に話し合う事で、 「プロフェッショナル委託=コストダウン」が可能になります。

経理機能を外部委託した場合のデメリット

  • 社内ノウハウが蓄積されない
    外部委託をしているため、経理技術やノウハウが社内に蓄積されません。 定期的に委託業者とミーティングを開催し、業務内容やフローなどを確認するようにしましょう。 経理部の社内化に協力してもらえる環境になっているのかなどは確認ポイントの1つです。
  • 緊急の対応が難しい
    担当者が同じオフィスにはいないため、タイムリーな対応が難しいです。 事前に、緊急対応を自社で出来るような方法を見つけることや、緊急対応があまり必要のないフロー、スケジューリングを行う必要があります。

Pasona N Aで外部委託をして成功したB社、C社の例

約10年間、CFOが経理マネージャー兼経理実務の一部を担っていたB社。 経理実務担当者2名は社内に残したまま、CFOの部分だけをPasona N Aで担当しました。 もともとはCFOが1ヶ月100時間以上かけて行っていた業務が、半年後には60時間にまで業務効率化が測れました。 監査もスムーズになり、コストダウンができたのは言うまでもありません。

経理担当者が1名だったC社。経理担当者は会計知識はあまりなかったので、決算処理や給与処理は全て会計士にお任せしていました。
その経理担当者が退社する事になり、経理担当者が行っていた業務と、会計士が行っていた決算処理、給与処理を全てPasona N Aで担当しました。
経営者には、経理が一元管理されるようになった事で各方面からの質問が減り、決算もレポートが早くなり、さらに人事面の業務が減ったことにより、 コア業務に集中できるようになったとお喜び頂きました。

経理機能の外部委託のサービスとは?

前述したように、経理機能の外部委託サービスと言っても、Pasona N Aのような委託 サービスと記帳代行サービスには違いがあります。 また、Pasona N Aの委託サービスと会計事務所の役割の差とは何でしょうか。

Pasona N Aの外部委託サービスと記帳代行の差は?

Pasonaの外部委託サービスは記帳だけでなく、クライアントの経理部として活動します。 必要に応じて、支払い業務や取引会社、親会社とのコミュニケーションまで行い、 財務諸表作成以外にも、経営戦略に必要なレポート作成までも行います。 記帳代行の場合、多くの場合はレシートやレポート、銀行の取引明細に合わせて記帳を行い、財務諸表の作成、税計算を目的としています。そのため、カスタマイズされたフローや財務諸表ではない場合が多いようです。記帳代行サービスは個人経営者などに人気です。

Pasona N Aの外部委託サービスと会計事務所の差は?

会計事務所しか出来ない事、それは会計監査になります。また、内部統制や移転価格のコンサルティング、税務申告などは会計事務所にお任せした方が良いでしょう。Pasona N Aの外部委託サービスは、経営者と会計事務所の間に入った、専門性の高いクライアントの経理部としてのカスタマイズしたサービスを行っています。

企業の環境や内部の状況によって、経理機能の効果的なあり方も様々である事を お分かり頂けたのではないでしょうか。 一概に、経理機能が社内にあると便利とも言えませんし、外部委託した方が良いとも言えません。正社員と外部委託と派遣社員を上手に組み合わせた方が良いケースもございます。時には、経理機能の効果的なあり方を見るためのコンサルティングを行い外部の目から判断をみるのも良いかもしれません。 業務効率化の検討判断の難しさや売上を上げないという観点から、ついつい改善や投資に後回しにされがちな部署ではありますが、経営戦略を考える上で、欠かせないと言われるのもまた経理機能です。 是非、売上を直接的に上げる経理部ではなくても、間接的に売上を伸ばせる経理機能を構築してみて下さい。

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